戸惑う名建築

TCD’s Philosophy from the Chairman’s Study

201301

昨今、洋の東西を問わず建物の壁面に様々な映像を投影するショーが盛んだ。その様は一様にコンピュータ・グラフィックスを駆使した目まぐるしいばかりの光景だ。物言わないことを幸いに映写幕代わりに使われる建物にとって、さぞ迷惑なことであろう。特に歴史を刻んだ由緒ある建物への投影は無礼とも言える行為だ。
夜の帳に浮かぶ建物の美しさは、静かなライトアップで一層の輝きを増す。
無節操な建築壁面の映像ショーが一過性のことであって欲しいと願うのは私一人ではあるまい。
この無謀な「光」の照射は、まさに何をかいわんやである。


山田崇雄 株式会社TCD 代表取締役会長、クリエイティブ・ディレクター
[筆者プロフィール]
山田崇雄 株式会社TCD 代表取締役会長、クリエイティブ・ディレクター
1938年大阪に生まれる。1961年~1971年早川良雄デザイン事務所にてチーフデザイナーを務める。1971年独立。1977年株式会社TCD設立。
大阪府アートディレクター、大阪デザイン団体連合会長などの公職を歴任。現在、日本広告制作協会関西代表、大阪広告協会理事、佐治敬三賞審査委員長、広告電通賞選考委員などを通じ、関西のクリエイティブ界を牽引している。