「オモシロイ」を集めるための仕掛け。

グランフロント大阪・北館に位置し、さまざまな企業や学術機関の先駆的、実験的なスペースが集積する「ナレッジキャピタル」。
ダイナミックな異分野交流から新たな価値の創出をめざすこの知的拠点には、多くの人を誘引し、知的好奇心を誘発する仕掛けが施されています。

特定の企業やブランドのショップの場合、顧客、見込み客の姿は明解です。逆に言えば、それが明らかでなくしてショップは運営できません。ターゲットの明確化とそのターゲットに足を運ばせる価値、便益の提供が、ショップの企画・運営の要点です。

ところがナレッジキャピタルの場合、主力製品をショップの柱として展示、販売しているショップはむしろ少数。次世代製品のプレゼンテーションスペースや娯楽性を備えた体験型施設、異業種参入へのパイロットショップなどが主体であり、そこには明確なターゲット像は見当たりません。
もとよりナレッジキャピタルのそもそもの趣旨が「多様な企業・人々の交わりから、今までにない商品、サービス、人材を生み出すこと」なのですから、ターゲットの設定はむしろ邪魔。「この人がここに何しに」的なシチュエーションこそが望むべき姿なのでしょう。

強いてターゲットを求めるなら、その属性は「知的好奇心が豊か」であること。ひらたく言えば「オモシロイこと」に、これぞと目をつけ手を伸ばし口を出す人たちです。
そういう視点でナレッジキャピタルを観察すれば、そうした「オモシロイこと」好きの人間を集め、次のアクションを誘発する仕掛けがあちこちにあることに気づきます。

例えば、グランフロント大阪の各所に置かれた、こんな端末。

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デジタルサイネージ(電子看板)と称される館内案内板なのですが、グランフロント大阪の「OSAMPO CARD」、「ICOCA(イコカ)」などのICカード、専用ソフトを取り込んだスマートフォンなどをここにかざすと、カードに記録された買い物の履歴情報などを分析して、その人の好みに合うようなショップやイベントを案内してくれます。
ただブラっと漠然とした興味でやってきたとしても、このサイネージの案内が“気づき”を与えてくれるというわけです。

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弊社社長がさっそく試してみたところ、50代のミドル男性向けという情報をセレクトしてくれました。皆さまもぜひ一度試してみてください。

このサイネージは、ネットとリアルの連携という点でも注目されています。
「これオモシロイな」という素朴な好奇心を誘い、集め、新しいリアルに出会わせる「ナレッジキャピタル」のレポート。次回はオープン後の人の流れを見ながら、イベントなどをご紹介します。


[筆者プロフィール]西川将史 株式会社 TCD チーフプランナー
心理学 × マーケティング × 写真 × デジタルガジェット × サッカー × 子煩悩 ×のコラボでブランドプランニングをオモシロク。甘党。