マグロとアイドルに見る意外性。

その注目度の高さと行列の大変さが、ナレッジキャピタルの中でも群を抜いている「近大マグロ」。オープンから3ヶ月たった今も、一向に落ち着く気配はありません。
それでも一度は食べてみたいと覚悟を決め、日曜の10時過ぎから約1時間並んで、ようやく「近大マグロと選抜鮮魚の海鮮丼」を食べることができました。

umerepo2_201307_1

umerepo2_201307_2

待望のマグロの感想は、「やわらかくて、普通においしい」というのが正直なところ。大学ということでどこかイメージにあった、アットホームな素人っぽさが残る味わいや、実験的な要素は感じられません。食器やスタッフの応対などもしっかりしています。(食器は文芸学部芸術学科の学生が制作したものだとか)

店内は照明を抑えめにし、モダンなインテリア。看板には「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」と大きく記されているものの、各席のタブレットで魚や研究所の説明に加えて大学案内が見られる他は、近畿大学の主張は案外少ない印象です。興味を持っていた魚の卒業証書も、現在ランチには付けていないようで、スタッフに確認すると奥から名刺大のカードを持ってきてくれました。

umerepo2_201307_3

ランチは定食と丼のみですが、夜のメニューにはお造り、酒肴、和歌山のお酒などが並び、宴会コースもあって、いわば居酒屋のような趣き。サントリーグループが店舗開発や運営をサポートしていると聞けば納得するものの、「大学が提供している居酒屋」という意外性があります。今までの感覚にないその組み合わせも、高い話題性と人気が続いている理由の一つだと感じました。

北館1階中央のナレッジプラザでは、多くの人が集まり、誰もいないステージにスマートフォンをかざしていました。これは、音声合成ソフトから生まれたバーチャルアイドル「初音ミク」のライブを、ARの技術を使ってスマートフォンで見られる、というイベント。
ナレッジキャピタルとバーチャルアイドル、少し違和感がある気もしますが、若い人や子どもはもちろん、ミドル層も興味を持って見ていました。こちらは8月6日までの期間限定でした。

umerepo2_201307_4

さらに8月3日から7日には初音ミクコンサート「夏祭初音鑑(なつまつりはつねかがみ)」をナレッジシアターで開催。いろんな“初”の揃ったコンサートとして注目を集めました。

そして、大手前学園がプロデュースする「スイーツ・ラボ」にも、期間・数量限定で「スイートミク・スイーツ」が登場していました。髪の色をイメージしたブルーには一瞬戸惑いますが、教授が開発したとあって、中はチーズ、ラズベリー、ショコラムースが重なり、味わい豊か。
バーチャルアイドルと本格的なケーキ。ここにも意外な組み合わせのコラボレーションがありました。

umerepo2_201307_5

私たちコピーライターがネーミングや企画を考える時にも、何と何を組み合わせるかに頭をしぼり、街の中でそのヒントに出会うことも少なくありません。
これからも多数のコラボレーションや共同開発に取り組んでいくナレッジキャピタルには、さまざまな組み合わせのヒントが隠れていそうです。


[筆者プロフィール]由良綾子 株式会社TCD コピーディレクター
印刷媒体、WEBのコピーライティング、ネーミングなどを担当。趣味は国内外を問わず、旅行と街歩き、食べ歩き。