変化した市場での商品デザインの開発

我々TCDがお手伝いするパッケージデザインでは、百貨店や駅構内での店舗で展開されるギフトとしての洋菓子や和菓子のデザイン開発と、スーパーマーケットやドラッグストアなどで展開される商品のデザイン開発とがあります。
特に後者の日用品のデザイン開発を長年手掛けてきた中で、ここ数年で生活者の商品の選択の仕方に変化が見えてきました。

日用品の商品たちは、売り場で隣に多くのライバル商品が並び、生活者の目にとまる、手に取ってもらう事を棚でじっと待っています。今までは、そんな彼らの魅力を機能的価値「モノ」寄りな訴求をして、差別化を図ってきました。
しかし、我々がお手伝いしている商品の中にも発売して40年や50年など長く続く物があり、この商品たちは50年間の生活者へ機能の提供実績があります。また、ライバル商品も含めメーカー各社の開発努力により、日本の日用品市場は高い機能の製品が安定的に提供されるようになりました。
つまり、日本の生活者は「この商品、本当に汚れを落とすのかしら?」とか「コレは、嫌なニオイを消してくれるのかしら?」などと疑うことなく、どれを選んでも目的達成できる製品の購入が可能になったといえます。おそらく、生活者は「製品の中身に対しての不満がない」のではないでしょうか?

とある記事で「製品を使用する際に発生する“感情”で、製品に対する満足度が左右される」と語られているのを読みました。成熟した市場だからこそ生活者の購入選択も情緒的価値「コト」に変化し、だからこそ使用時に感じる感情でずっと愛される商品か否かが決定するのだと思います。

これからの商品のデザイン開発に向けては、言われて久しい「モノ」から「コト」へ。と共にユーザーが使用する際に感じる思いをも想定した商品デザイン開発が不可欠になってきたように感じています。


[プロフィール]
山本みき パッケージ&プロダクトデザインセクション クリエイティブディレクター
商品パッケージのデザイン開発に携わり22年。生粋のパッケージおたく