アイトラッキングから考えてみる、よくあるデザインの法則

アイトラッキングや視線解析を実際のデザインにどのように活用すればよいか、というご相談をいただくことが増えてきました。 TCDではパッケージデザインやWEBサイトデザイン、広告やカタログツールの解析など、様々なデザイン制作にアイトラッキングツールを活用しています。今回はこうしたアイトラッキングを行うことでわかってきた、簡単なデザインの法則についての見解をご紹介したいと思います。

デザインの「形」の要素で良く知られている法則の中に、「脳は法則性のあるものを好む」というものがあります。


こうしたいくつかの法則を組み合わせることで、心地よいと感じ、情報を認識しやすくなるというものです。よく知られている簡単な法則なので、多くのデザインの現場で見られます。

Visual Identity がしっかりしている企業でも、よく活用されている法則かと思います。理路整然と要素を整えることで、「誠実さ」「王道感」「安定感」などを心地よく演出することができるからです。

日頃からデザインのアイトラッキングを行っていると、こうした法則を崩す必要がある場合があるな、と感じます。
例えば、こういった5つの項目があるケースを見てみましょう。

実際の業務でアイトラッキングを行った際、このように整理させると、視線は全体をまんべんなくザっと泳がせる傾向にあることがわかりました。

また、「スペシャルサイト」に力を入れたいということで、形状でアテンションをつけてみると、視線の傾向はこうなりました。

大凡のイメージ:数字は見た順番、丸の大きさは注視時間の長さ

さらに、内容を入れ替えても同じ傾向になるのかを見てみると、このような結果に。

大凡のイメージ:数字は見た順番、丸の大きさは注視時間の長さ

このように見ていくと、「脳は法則性のあるものを好む」とはいうものの、1箇所「異物感」を混ぜることで、企業側が意図的に見せたいコンテンツにユーザーを誘導することができるのかもしれません。

実際にいくつかのパターンを検証してみたところ、特に「形」や「色」の要素で、周辺の法則から1つだけ外れたところに人間の視線は誘導されやすい、ということがわかりました。

企業ブランディングのVisual Identityに則って、規則正しいデザインルールの中で「特に企業として一番ユーザーに見て欲しいところ」に限っては、意図的にそのルールを曲げて「心地よい違和感」を演出して、ユーザーの視線を誘導する必要もあるのかなと思います。
以上、今回は概念的な説明で、アイトラッキングをデザインにどう活用しているのかを簡単にご紹介いたしました。今後もまた機会がありましたら、具体的な事例をご紹介できればと思います。


[筆者プロフィール]西川将史 株式会社 TCD プランニングディレクター
心理学 × マーケティング × 写真 × デジタルガジェット × サッカー × 子煩悩 のコラボで、最近はデータサイエンス分野にも手を伸ばして楽しんでいます。