Design Column:形[ 具象形 ]

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TCDのデザイナーとして日々デザインする中での、こだわりについてお話しさせていただくこのコラム。デザインの主な構成要素である、形(点、線、面)、文字、色、素材などのうち、今回は「形」の中の具象形について、TCDのロゴデザイン作品とともに触れていきたいと思います。

「ロゴは会社の顔」と良くいわれます。名前は忘れたけれど顔や仕草は見覚えがある、ということは良くあるのではないでしょうか。人の脳は、名前よりも顔や印象を記憶にとどめやすいといわれています。右脳と左脳にそれぞれ役割があるのはご存知かと思いますが、記憶についても役割があり、右脳はイメージによる記憶で大量に深く記憶し、左脳は文字による記憶で、少量しか記憶されません。ロゴは文字をデザインするロゴタイプ系と、形をマーク化したシンボルマーク系に大きく分かれますが、ロゴタイプ系の情報は左脳で記憶され、シンボルマーク系は右脳で記憶されます。
TCDが手がけた、シンボルマーク系の具象的なロゴをご紹介します。

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人をモチーフとした具象的なロゴ
人の形は、動きや“表情”など、多様な表現ができるモチーフである。

1. 大阪府立上方演芸資料館「ワッハ上方」:
  目、鼻、口のパーツを自由に並び変えても、笑顔というイメージを変えずに
  様々な顔を作れる仕組みになっている。

2. 神戸港クルーズ「シルフィード」:
  風の妖精シルフィード。ポーズを印象的に表現。

3. 写真スタジオ「ココロフル」:
  記念写真を撮る場合が多い「七五三」を子供のシルエットで表現。

4. 交番マーク(大阪府警):
  地域の人と交番の関わりを、「警官に質問する子供」というシーンで表現。

5. 兵庫県立考古博物館:
  遺物を手で触れることができる博物館。過去を探る未来をつかむ、子供の手。

6. うまいもん探偵団:
  その名の通り、フォークとナイフを持ち食べ歩く探偵を、ホームズ風に。

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動物をモチーフとした具象的なロゴ
私たちは動物に対して、ある一定の共通したイメージを持っているので、
その特徴を活かしやすい。造形的にも特徴を出しやすく、また親しみが湧くモチーフでもある。

1. 関西クラシック倶楽部:
  本ゴルフ場でよく見られるカワセミをモチーフに。

2. 文化遺産国際協力コンソーシアム:
  天平文化の絵柄「花喰鳥」(旧約聖書に登場する喰鳩との説)。

3. 神戸・港ピザ(三輪):
  神戸をイメージさせるカモメに、イタリアンカラーのシェフスカーフ。

4. 回転焼肉「ロンド」:
  くるっと舞う線でビーフを表現。

5. スマホアプリ「ガイドッグ」(NTTドコモ):
  インカムを着用したガイド役の犬キャラクター。

6. 生鮮食品スーパー「まいど」:
  生鮮大型スーパーの象徴としてのクジラ。関西的な大胆な表現。

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その他(物、植物、自然現象など)をモチーフとしたロゴ

1. 兵庫陶芸美術館:
  五つの器の重なりは、「地・水・火・風・空」の連鎖により命が宿る、陶器の自然背景を表現。

2. コウベワインセラー(今井商店):
  古代ギリシャから使用されているワイン壺「アンフォラ」。

3. 打出・芦屋の地域情報サイト「decco」:
  地域と人をつなぐ、一筆書きの打出の小槌。

4. いずも農業協同組合:
  出雲の国の神秘性を、一筆書きの雲で表現。

5. 大手前大学:
  開花し成長する花を、人間の姿として象った。上部のわずかな空きは、無限の未来。

6. クラウド会計システム(エーサース):
  クラウド(雲)と成長(Grow)する樹木がモチーフ。


[筆者プロフィール]
松田徹 株式会社TCD デザインディレクター
グラフィックを中心としたブランディング及びCI、VIデザイン、
パッケージデザイン開発に従事。