エディトリアルデザインの役割〜ハーフ&ハーフ〜

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こちらの連載では私が携わることの多いエディトリアルデザインについての考察をしていきます。

はじめに、エディトリアルデザインとは読み手の視線や発信者側の意図を考慮して、効果的な紙面を編集しデザインすることです。
エディトリアルとは「編集」の意味で、例をあげると新聞、カタログ、雑誌、会社・学校案内、フリーペーパーなどページ数が多いものをまとめることを指します。言葉は聞き馴染みなくとも、実は普段よく触れているデザインです。
日常で目にするものは多種多様な表現があるように見えますが、トーン&マナーなどブランディングの観点でコントロールされています。分かり易いものとしてはファッションブランドのカタログです。広告などでイメージするブランドの世界観を、カタログを手に取ることでじっくり理解を深めさせる役割があります。


エディトリアルデザインはハーフ&ハーフ

一体何がハーフ&ハーフかと言うと、エディトリアルデザインの表現は「編集デザイン」と「広告デザイン」の要素のハーフ&ハーフでできていると考えます。

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雑誌やカタログなど数回見かえし読まれる前提の「編集デザイン」と物事を一瞬で伝えるための「広告デザイン」は一見畑の違う領域に感じますが、エディトリアルデザイン側からの視点だと密接に関係しています。
編集デザインはキャッチコピーや本文などのテキストや図、写真などを整理・配置し、紙面の要素が美しく整然とデザイン・レイアウトされて完了ではありません。

1つ目の広告的な要素が必要になると考えられる箇所は、表紙デザインです。表紙は顔であり、面白そう、賢そう、清潔そうなどヒトと同じく第一印象を持ってもらう部分です。媒体の性質や用途によって一概に言えませんが、第一印象が悪いもしくは第一印象がなければ、どんなに面白い内容でも読んでもらうところまで辿り着かないのです。

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2つ目は巻頭ページや特集ページでしょう。掲載内容を魅力的にビジュアル表現しなければなりません。ページをめくる毎に読み手の心にインパクトを与え、掴むことが重要です。例えば食の情報誌なら“美味しそう” “お店に行ってみたい”、カタログなら“かっこいい” “欲しい”、会社・学校案内なら“ここで働いてみたい” “そこで学びたい”という掴みです。

よくポスター等の掲示広告は、「0.5秒の勝負」と言われます。それは人が歩きながら物を意識し認識するのに必要な時間です。エディトリアルデザインにはこの0.5秒で目に留まり、さらにページをめくって心を掴むデザイン・レイアウトが求められます。


[筆者プロフィール]
小川 智之  株式会社TCD デザインディレクター
京都精華大学 芸術学部 デザイン学科 ビジュアルコミュニケーションデザイン専攻 卒。
エディトリアルを中心にAD、パッケージ、WEBと幅広く業務を遂行。比類なき“オモシロイ”を目指し日々精進。