2016.11.07

海外事例紹介:BE INSPIRED〜タイの焼肉店「Bar B Q Plaza」のブランド体験〜

「BE INSPIRED」では、TCDのグローバルチームが日本以外の視点から見たブランディングに関する海外のトピックスをお届けします。
1回目はタイ出身のグラフィックデザイナーが注目するタイでのブランド体験です。

タイで一般的な外食として、ムーカタ(ムー=豚/カタ=鍋)を提供するBar B Q Plazaは、タイ国内でトップシェアの55%という有名なレストランです。その利用者の多くは家族層で全体の70%、20〜30代の若者層が30%となります。

そこで、ターゲットを意識した楽しい食事の空間を想起させるブランドの世界観を構築しています。

Bar B Q Plaza

例えば、表情の豊かなマスコット「Bar B Gon(バービゴン)」をLineのステッカーで発信し、親しみのあるレストランのブランドを構築する上で、SNSのコミュニケーションを採用しています。

タイの人々は、情報に敏感で、新しいことに対してトライすることに関心があり、こういったツールは、効果的です。また、facebookでは、顧客がコメントした際、マスコットが返答し、質問や苦情も丁寧に答えます。愛されるマスコットを取り入れ、効果的に活用する工夫がされています。

その他、最近では、9月にレストランの鍋を変えることをfacebookで発信し、話題になりました。

Bar B Q PlazaBar B Q Plaza Facebook

iPhone7がリリースされる直前のタイミングに、パロディ性のあるビジュアルを採用し、鍋のリニューアルを訴求しました。ちなみに、キャッチコピーは、「新しい鍋、Wireless箸、カウントダウン2日」と表現しています。

Bar B Q Plaza Facebook

その際、オープンしてから29年間、使用していた金色の鍋は、溶かしてストラップという形にし、顧客であるファンにグッズとして配布しました。

Bar B Q Plaza Facebook

さらに、「もっと良くできないか!」キャンペーンも実施されました。社会の為に何ができるのか、を皆で考えようという内容です。結果、肉をカットしてでた余分な部分をドッグフードとして生産し、顧客に配布し、動物病院に贈るという活動をおこない、様々なメディアに取り上げられました。

こちらがキャンペーンで使用したTV-CMです。(英語字幕)

一見普通の焼肉店のTV-CMです。父、娘、店員が笑顔で「ベストを尽くして、ベストな食事を」とアピールし、TV-CMが終わろうとしますが、娘が急に真剣な面持ちで「もっと良くできないのか!」と尋ねて、父と店員を悩ませます。そこで、父と店員は様々なことを考え実践していきます。残った食べ物で木の肥料、店のペットボトル・割り箸の再利用など。色々努力しても娘は満足せず「もっと良くできないのか!」といいます。疲れきった父と店員は「あとは、皆様のアイデアをください」と視聴者に問いかけます。

顧客に向けた企画だけではなく、Bar B Q Plazaの店員のための企画もしています。“The Waiter’s Mom”企画。レストランが混む母の日に、母と一緒に過ごせないのはレストランの店員たち。彼らのために、母の日の一ヶ月前に店員が母をBar B Q Plazaに招待して一緒に食事を楽しんでもらう企画です。こちらがキャンペーンで使用したTV-CMです。(英語字幕)
社員と母親のリアルなシーンは、感動的で、共感できる心を打たれる内容です。

ターゲットを見据えたデザインのトーンやメディア選択。流行をつかみながら、タイミングよくリリースする計画性ある戦略。または、顧客や会社の社員に還元するソーシャルグッドな施策。そういったことを内外へコミュニケーションし、総合的に「広める・広めてもらえる」ことが、ブランドを構築する上で重要な要素の一つかと考えます。

参照)
Bar B Q Plaza HP
Bar B Q Plaza Facebook
iBizChannel
Line Sticker
Brandbuffet

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