ブランディング・メソッド・コラム
今すぐ始める「採用ブランディング」STEP①


 STEP①「採用ブランディング」のポイントは? 〜まず、自社の強みを見返す
 STEP②「採用ブランディング」のコンセプトは? 〜ビジョンを一言化する
 STEP③「採用ブランディング」のゴールは? 〜最後に、ストーリーを語り合う




企業の採用活動において、売り手市場、人材難、と言われる中、その採用活動にも「ブランディング」の観点が必要とされてきています。

今回のブランディング・メソッド・コラムは「採用に効くブランディング・メソッド」として、人材の採用におけるブランドの伝え方を考えていきたいと思います。




■ まず、自社の強みを再構築する

1.そもそも、なぜ採用活動にブランディングが必要なのか?

長く不況が続き、今就職活動を行う学生の傾向として「安定志向」が根強くあります。また、その安定志向に起因して、両親や学校の就職課などの「関与者の声」も就職先の選定に大きな影響を与えるようになっています。結果「大手志向」にも拍車がかかっています。

そうした状況の中、業界2番手3番手、または優良企業であってもブランド認知の低いBtoB企業は必然的に採用活動が難しくなり、今後続く人口減少は経営課題にも挙がっています。

「ブランディング」はもはや事業課題を解決するだけでなく、いかに優秀な人材を確保し、そして維持し続けるか、経営の根幹に関わる課題となっています。

そこで今一度、学生目線、社会目線で企業価値を見直し、その魅力を棚卸しし、「ブランディング」の視点で採用活動のコミュニケーション・コンセプトを練り直す必要が出てきます。



2.コミュニケーション・コンセプトの軸づくり

どの企業にも「社是」や「企業理念」があると思います。「ブランディング」に取り組まれた企業であれば「行動指針」や「ビジョン・ミッション・バリュー」などを規定されているかもしれません。

それらを一度、学生目線で見直してみましょう。学生の目から見てわかりやすく、また魅力的に映るでしょうか。親御さんや教授から見て安心感や信頼感が醸成される内容になっているでしょうか。

企業理念に裏づけられた自社の独自性、そこから生まれるブランドの価値。これらが最終的には採用活動を行う際の「ブランドコンセプト」となり、直接学生とコミュニケーションを行う「ブランド表現」になります。そこにはブレのない一本の軸が通っている必要があります。いくつかチェック例を挙げてみましょう。※求める人材により内容は異なります


  • 企業理念に掲げられている方針は社会貢献度が高いか?
  • USPは、他社と比べて明らかな強みを有しているか?
  • そのビジョン、ミッション、バリューは未来志向か?
  • そのコンセプト(ワーディング)はユニークか?
  • そのブランド表現に共感できるか?



3.良いコンセプト、悪いコンセプト

企業ブランドのコンセプトはその生業からにじみ出てくるものなので、良いも悪いもありませんが、ワーディングする上ではエッジを立たせておく必要があります。そうすることでブランド表現をする際により際立った表現が可能となります。

つまり悪いコンセプトというのは、「世界を平和に」のように、ツッコミどころはないけれど個性もないワーディングです。案外とこうした普遍的なワードに落ち着いてしまうケースは少なくありません。「それ、どこでも言えてしまいますよね」といった前途のUSPが含まれていないケースです。そうしたときは今一度、上図のブランドバリューまたはUSPに立ち返る必要があります。

逆に良いコンセプトというのは、上記の裏返しです。自社にしか言えない独自性があり、ウィットに富み、共感が得られるものです。「共感」というキーワードは採用活動を通してもっとも重要なファクターになるでしょう。企業のビジョンと学生の夢が重なる部分が「共鳴」し合うことでより大きな実を結ぶはずです。

その「共感」、企業と学生とが共有できる価値観は何か。ある企業は「ソーシャルグッド」な何かかもしれません。ある企業は近い未来への「チャレンジ」かもしれません。まずは、自社の強みを見返すことから「採用ブランディング」を始めてみましょう。



筆者プロフィール
川内 祥克 株式会社TCD マネージングディレクター
企業ブランド、事業ブランドやサービス・ブランドの立ち上げ、プロモーション業務に従事。『ブランドのウェブ活用』などのセミナーも開催。