セイフティービデオ

旅行や出張など長距離移動の際に飛行機を利用する人は、多いかと思います。チケットに記載の座席番号には、注意を払うでしょう。また、着席後は、機内誌を読んだり、ドリンクやスナックをつまんだりと人それぞれかと思います。しかしながら、機内安全ビデオは、離陸直前に機内にて、上映され、客室乗務員の実演もなされます。何となく、万が一のことを考えると、見ておこうかと思う人も多いかと思いますが、つい最近、アメリカのデルタ航空は、その機内安全ビデオをリニューアルしました。

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安全に関する内容をいかにストレスなく伝えるのか、または、子供にも興味をもって見てもらうのかなど、さまざまな意図があっての演出でしょうが、トレンド感があったり、ユニークであったりすることは、コンテンツへの興味をいかに引くのかということに重きをおいた表現かと思います。説明がなくても、感覚的に理解を促し、記憶してもらう。極端に言えば、命に関わることであるならば、どんな手法や手段であれ、伝わればいいというのが第一かもしれません。

ちなみに、ヴァージンアメリカの機内安全ビデオは、音楽、レコードからはじまった企業の「らしさ」やその姿勢やスピリットを感じさせる音楽とダンスをモチーフに、エッジのきいた表現になっています。

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また、エールフランスの機内安全ビデオは、お国柄や文化を感じさせるチャーミングでシック、ヌーベルバーグな印象を思い起こさせるトーン&マナーで、まるでショーのようです。

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密室の機内にて、その自由度の少ない空間でのコミュニケーションは、人々へ何かを伝えることにおいて、強制的な側面が強くなりますが、そういった環境にある機内安全ビデオは、安全性という目的を果たすのと同時に、企業のアイデンティティやパーソナリティを表現し、伝えることが可能となります。デルタ航空のように、ユニークな映像からは、コンテンツへ入り込む際のイージーさが感じられますし、ヴァージンアメリカからは、ロックテイストで、ターゲットを絞ったかのような印象を受けます。

コミュニケーションの内容が、規定的である中で、いかに企業の色を打ち出すのか、また、有効にメディアを活用するのか、各社独自のテイストをもって、乗客とコミュニケーションすることは、ここ近年のトレンドかもしれません。また、同時に、機内のみでなく、ネットという環境のもと、繋がりと波及という意味で、Marketing Magazineにも記載があるようにMeme Cultureの影響も大きな存在かもしれません。
※Meme; An element of a culture or system of behaviour passes from one individual to another by imitation or other non-genetic means. (Oxford Dictionaries)


参照)
Marketing, The Brand Republic Group
Delta, YouTube
Virgin America, YouTube
Air France, YouTube


[筆者プロフィール]
後藤義和 株式会社TCD デザインディレクター
英国、University of the Arts London / MA Graphic Designを修了し、
帰国後、TCDにて、企業のブランディング業務に従事。