2017.11.27

ソーシャルリスニング。SNSから消費者のニーズを知る方法。

西川将史 株式会社TCD プランナー

ソーシャルメディアの普及により、ユーザーは身近な人々からの口コミ情報を頼りに購買意思決定を行ったり、ブランド評価をするようになってきました。 その流れの中で、ユーザーの口コミをマーケティング戦略に結びつけるための活動「ソーシャルリスニング」 への注目度が年々向上しています。

「social media listening」のトレンド傾向
Google Trends

「ソーシャルリスニング」とは、ソーシャルメディアやブログなどインターネットのコミュニケーションツール上で、人々が日常的に語っている会話や自然な行動に関するデータを収集し、調査・分析を行なうことです。消費者のリアルな声を知ることで、製品やサービスの開発、プロセスの改善や広告宣伝の効果測定など、顧客対応をより深めることができます。

TCDではクライアントの会社やブランド、商品に対する「ブランドイメージ」「消費者ニーズ」「プロモーション施策効果」「業界動向」などを可視化することで、ブランド課題の共有を促し、ブランド戦略の改善につなげるお手伝いをしています。

ソーシャルリスニングを実施する際のポイント

消費者がSNSアカウントを作るだけで世界に向けて自分の意見を発信できるようになった現在では、企業側は消費者の発信する情報を継続的に自社のマーケティングに取り入れる必要があります。
これまで消費者の声を聴く方法として、インターネット調査や対面のインタビュー調査が一般的でしたが、SNSを活用して、消費者の素直な反応を消費者同士での自然なやり取りの中でリアルタイムに捉えて分析し、すぐに行動に移すことが出来るようになってきました。
こうしたスピード感が求められるソーシャルリスニングでは、以下のポイントに注意して取り組む必要があります。

1:ビジネスのゴールを見据えた調査目標の設定と、KPI(Key Performance Indicators)の設定を行う
KPIとは「目的が達成できているかどうかをチェックするための値」と捉えることができ、短期で計測可能な具体的な目標を設定します。例えば、ブランド好意度の向上をビジネスのゴールとした場合、FacebookでのKPIとして「いいね!」や投稿のエンゲージメント率を設定することがあります。

2:分析に役立つ情報が集約されている情報源を活用する
・ビジネスとの関連がある、消費者間で興味喚起がなされている情報源
・ビジネスと無関係の情報が少ない情報源
・タイムリーな情報源
・信頼できる情報源

3:目的に応じてブランド保有のメディアと消費者保有のメディアを組み合わせて分析する

ソーシャルリスニングお役立ちツール

アカウントの分析や投稿の管理も可能な、ソーシャルリスニングに役立つツールをいくつか紹介します。

Crimson Hexagon
画像出典:https://www.crimsonhexagon.com/
日本総代理店ブレインパッド: http://ch.brainpad.co.jp/

世界中で500以上のブランド・企業で選ばれているソーシャルリスニングツールが「Crimson Hexagon」です。日本ではブレインパッドが総代理店となっており、時系列推移分析だけでなく、インフルエンサー分析や、エモーション分析も可能です。マーケティング担当者が知りたい要素やアクションにつながる区分などを任意に設定し分析することで、自社ブランドの課題を可視化していきます。Twitterに関しては、2010年7月以降の投稿データを全量抽出・分析できる、とてもパワフルなツールです。

Social Insight
画像出典: http://social.userlocal.jp/
株式会社ユーザーローカル: http://www.userlocal.jp/

そして、LINEやmixi、ニコニコ動画などの国内SNSに強いソーシャルリスニングツールが、株式会社ユーザーローカルから提供されている「Social Insight」です。「クチコミ傾聴」機能では、数百億件のデータの中から、特定キーワードについての口コミを独自のテキスト処理エンジンで分析できます。キーワードや記事URL、ドメイン、ハッシュタグを指定すると、それらを含む投稿データを取得して分析結果を可視化してくれます。炎上を事前に察知し、商品や企業の風評被害を回避するなどの使い方もできます。

以上、今回はコンパクトにソーシャルリスニングについて紹介しました。マーケティング支援ツールも年々様々なツールが出てきているので、統合的に長所短所を把握して、ブランド管理に活用していきたいですね。

[筆者プロフィール]

西川将史

株式会社TCD プランナー

心理学 × マーケティング × 写真 × デジタルガジェット × サッカー × 子煩悩 のコラボで、最近はデータサイエンス分野にも手を伸ばして楽しんでいます。

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