ブランディング考

2019.08.26

パッケージデザイナーが地方銘菓を空想リニューアル

毎年、夏季休暇明けのこの時期に、スタッフ達からたくさんのお土産をいただきます。
机にはバリエーション豊かに、ご当地のお菓子たちが並ぶので、そこはパッケージデザイナーの性…。封を切る前に、やはりデザインをじっくり観察。
特に「子供の頃から慣れ親しんだ、私の田舎のお菓子です。」という、ご当地“名物”のパッケージデザインに触れると、このデザインをリニューアルするなら…とついつい空想してしまいます。

そんな私の頭の中で、勝手にリニューアルされてしまったのが、福島県のお土産としていただいた「ままどおる」(株式会社三万石)でした。

1967年に和と洋の調和を目指し発売された銘菓。
「ままどおる」とは、スペイン語の「お乳を飲む子」を意味するそうで、ミルク味の餡がきめの細かな生地に包まれた焼き菓子。しっとりなのにフワッとした優しい味と食感は、名前のイメージ通りです。(個人的感想ですが、お腹にドシッとくる感じはないので、何個でも食べられそう…)

ご当地ファンも多く、手土産や旅のお土産として選ばれる銘菓だそうですが、福島県の定番土産としてモダナイズ・リニューアルをするとしたら…

まずはブランドカラーの考察。現状がシンプルなデザインだけに、「ままどおる」=黄色。このイメージは、100%であると考えられるので、変更すべきではないかな、と思います。でも、優しい甘みのある味をイメージできるよう、少し赤みのある黄色にしてもいいかもしれません。

「ままどおる」のロゴタイプは、バターのとろけたイメージを表現していると想像されます。個性的ながら少しミステリアスな印象にも見えるので、整えてみたい気もします。
見つめ合う親子のイラストも素朴な風合いですが、もっと「ままどおる」のアイコンとして精緻化するとよいかもしれません。親子の表情を描くことで、見る人に情緒的な感情を与えられるのではないでしょうか。

あとは…福島県のお菓子であること、50年以上の歴史あるお菓子であることも、もらった人がすぐに認識できるよう訴求してもいいのかもしれません。
中のお菓子の形状もかわいいので、もっとこの形状をアピールするデザインもいいのでは。個包装の包材も変更して、封をあけたら「mamador」の文字が見えるように前開きにして…

開発時のコンセプト、「和と洋の調和」を、よりパッケージでも体現するというのもいいですね。風合いのある和紙に洋紙のスリーブをつけるなど。
こんな風にも、あんな風にも…こうしてはどうか、ああしてはどうか…どんどんイメージは広がり、楽しい空想時間をしばらく過ごして、改めて「ままどおる」のパッケージを見つめて現実に戻りました。50年以上愛され続けている商品のデザインを変える必要は全くないですよね…と。

株式会社 三万石


[プロフィール]
山本みき パッケージ&プロダクトデザインセクション クリエイティブディレクター
商品パッケージのデザイン開発に携わり22年。生粋のパッケージおたく

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