ブランディング考

2019.12.26

観光スローガンで、言葉の旅へ。

由良 綾子 コピーディレクター

言葉の旅タイトルイメージ

来日者数が年々増加し、東京2020オリンピックもいよいよ近づいてきました。旅行や観光への注目度も高まる中、旅好きの私もワクワクしています。
今回は、多数の国で開発されている観光スローガン、キャッチフレーズを見ていきたいと思います。

ポイントを絞ることで印象的に

私が今までに旅した30数ヶ国から、いくつかピックアップしてみました。

ノルウェー 「POWERED BY NATURE」
フィヨルドやオーロラなどの力強い自然とそこから受け取れるエネルギーを、「POWER」を使って、わかりやすく魅力的に伝えています。

モロッコ 「MUCH MOR OCCO」
国名をアレンジ。「MOR=MORE」と思われ、「OCCO」の部分が、「SAND」「SEA」「RIAD」(伝統的な宿泊施設)などと変化していきます。迷宮都市から砂漠、デザイン雑貨まで多彩な表情を見せるモロッコらしい、遊び心あるスローガンとなっています。

タイ 「amazing THAILAND It Begins with the People」
場所や文化を表現したスローガンが大多数を占める中、人に触れることで独自性を生み出しています。

リヒテンシュタイン 「Princely Moments」
貴族が統治する公国であり、文化的にも経済的にも豊かなそのオリジナリティが、「Princely」というワードで端的に表現されています。

ウズベキスタン 「The Heart of the Great Silk Road」
シルクロードのほぼ中央に位置するウズベキスタンならではのストレートなメッセージ。歴史都市サマルカンドの「青の都」という呼び名も旅情をかきたてます。

日本は多種多様な観光資源をアピール

日本が2010年から使用しているのが「Japan. Endless Discovery」
観光庁のWebサイトには、「『尽きることのない感動に出会える国、日本』という意味合いで、(中略)日本の多種多様な観光資源を是非深く知って頂きたいという気持ちを込めています」と記されています。
説明がなければわかりにくく、日本ならではの独自性も弱い印象を受けました。
出典:国土交通省 観光庁「訪日観光に関する海外市場向けキャッチフレーズ・ロゴ」

すべてを伝えようとして、個性が弱まるケースも

下記のスローガンも、旅行の際に、それぞれの国ごと、スポットごと独自の魅力があるのを体感しただけに、「もっと伝えるべきことがあるのでは?」と残念に感じました。

ドイツ 「Simply inspiring」
インドネシア 「Wonderful Indonesia」
ブルガリア 「A discovery to Share」

観光スローガンだけでなく、会社や商品のキャッチフレーズ、ネーミングにおいても、「せっかくの特徴が表現できていない」「他社、他の商品でも言えてしまう」というケースがしばしば見られます。

実際の体感と客観的な視点を両立させながら、唯一無二の個性、魅力を表現し、見る人に「もっと知りたい」「自分も体験してみたい」と思わせる。そこが言葉の旅の目的地なのだと思います。

[筆者プロフィール]

由良綾子
コピーディレクター

紙媒体からWebやムービーのライティング、ネーミング、コンセプト立案まで、TCDのコピーライティングを幅広く担当。趣味は国内外を問わず、旅行と街歩き、食べ歩き。


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