2022.08.30

「日本3Dプリンター株式会社」変革期を迎えた3Dデジタルソリューションカンパニーのトータルブランディング

宮本 真 株式会社TCD デザインディレクター

「日本3Dプリンター株式会社」変革期を迎えた3Dデジタルソリューションカンパニーのトータルブランディング

3Dプリンターを用いたデジタルソリューションを、製造業からデザイン、学術研究や医療の分野まで幅広く提供している日本3Dプリンター株式会社。高い専門性と細やかな対応力、広範囲の課題解決力が評価され、2022年には日本急成長企業100社にも選ばれています。

商社からの脱却

順調に成長を遂げてきた日本3Dプリンター株式会社からTCDにブランディングのご相談をいただいたのが2021年末。課題はお客様のニーズが3Dプリンターの販売だけにとどまらず、3Dプリンティング業界におけるトータルなソリューション提供に変化してきたこと。3Dプリンターの販売業者のイメージから3Dデジタルソリューションカンパニーへのイメージ醸成をテーマに、TCDには総合的なブランディングをご依頼いただきました。

まず、TCDで取り組んだのはコンセプト開発でした。幅広い事業の中でどこを強化していくのか?事業方針をヒアリングした上で、デザイン上の問題点を指摘させていただいきました。そうした中で、日本3Dプリンター株式会社は何者でどこを目指すのか?それを言語化することで明確なゴールイメージを共有した上でコンセプト開発を進めました。

そしてたどり着いたのは
競争力のある企業をこの国からひとつでも多く生み出したい。
という切実な願いから生まれたコンセプトです。昨今日本のものづくりの衰退が叫ばれる中、3Dデジタルソリューションこそ日本のものづくりの成長にドライブをかけるエンジンとなる。不確実性の高いこの時代に確かなソリューションをお届けする日本3Dプリンター株式会社の挑戦的で力強いコンセプトの軸が固まったところで、次のステップのデザイン作業に進みました。

コンセプトを体現したデザイン

このトータルなブランディングの大きな目的は、3Dデジタルソリューションカンパニーとしてのポジショニングの確立です。

前述のようにコンセプトは挑戦的であり、既存の枠組みを取っ払う破壊的イノベーションとも言える。そして背景に少し触れておくと、近年の技術革新で3Dプリンターの実用性が高まったこと。市場規模も拡大していて業界注目度も高く、競合も多いことから、日本3Dプリンター株式会社ならではの独自性を担保できるデザインが必要でした。そのためにはあらゆるステークホルダーとのタッチポイントで一貫した印象を与えられるビジュアルコミュニケーションをいかに醸成するかが重要です。そこで、強みである幅広い知見を持ったトータルソリューションを印象づける、象徴的なロゴ開発を目指しました。

複数のロゴデザイン案をご提案させていただき、最終的に決定したのがこちら。

シンボルマークは日本3Dプリンター株式会社が提供する4つの価値、「素直な心」「熱意」「努力」「利他主義」がひとつにまとまり集約して、世界にソリューションを発散していく過程をイメージしたデザインに。さらにブランドカラーは会社名に由来した、日本を象徴する日の丸の赤で、コンセプトの力強さを助長するカラースキームを採用しました。

トータルで世界観づくりをサポート

ブランドロゴ開発後はコンセプトの想いを乗せて、あらゆるツールに日本3Dプリンター株式会社の世界観を落とし込んでいきます。名刺から始まり、Tシャツ、展示会会場、ブルゾン、ウェブサイトデザインと、あらゆる媒体で使用できるキービジュアル展開も用意しました。キービジュアルは3Dデジタルソリューションカンパニーとして価値を提供する現場のシーンを、シンボルマークと組み合わせて展開しました。

3Dデジタルソリューションという新しいポジショニングの確立と日本のものづくりへ一石を投じるコンセプトはチャレンジングではありましたが、一貫したコミュニケーション展開とブレのない世界観を確立した日本3Dプリンター株式会社。今後ますます発展し、日本のものづくりにドライブをかけてくれると信じています。

[筆者プロフィール]

宮本 真

株式会社TCD デザインディレクター

ミッションは儲かるデザインを提供すること。ビジュアルコミュニケーションのプロフェッショナルとして企業・製品・サービスなど様々なブランディングプロジェクトに携わる。好きな映画は「180°south」。

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