ブランディングとは何か?

ブランディング


ブランディングは「企業」で差別化を図る時代へ
ビジネスにアドバンテージをもたらす「企業ブランディング」の進め方

なぜ今ブランディングが注目されるのか?

日本のビジネスシーンへ、ブランドやブランディングという概念が本格的に導入されてから約20年が経過しました。この動きは現在では大企業だけでなく中小企業にも拡がりを見せ、ブランディングという言葉自体も広く定着してきた印象があります。ブランディングとは、BRAND=あるべき姿を規定し形にし、ING=あらゆる活動を通じてそれを伝達浸透させることと定義しています。
日本企業は、先行する製品やサービスに対して改良、改善を加えることで競争優位を保つ「製品差別化戦略」を展開してきました。まだ企業間で提供する製品に大きな差があった時代にはうまくいっていたのですが、技術の平準化とともに「どこも大きく変わらない」状況となり、有効に機能しなくなってしまいました。こうした「同質化競争」が進んだことで、多くの企業は「ブランド」に差別化の源泉を求めるようになったという経緯です。



「製品・サービス」ではなく「企業」そのもので差別化

しかもそのレイヤーは「製品・サービス」ではなく、「企業」や「事業」で差別化を図ろうとする「企業ブランディング」を行う企業が多いというのが特徴です。今企業に求められているのは「社会」との関係づくり、簡単に言えば「社会のためになるか」という視点での企業運営です。これを考えるグローバルな共通言語がSDGs。このため従来は個々の事業や製品、サービスを束ねる企業の「良さ・強み・特長」をいかに伝えるかが焦点でしたが、現在ではこれに加えて、個々の事業や製品、サービスの背後にある企業としての「理念・哲学・良心」の表明が求められています。高度に学習した先進的な消費者は、モノ選びの際に「どういう社会を創ろうとしている会社か」「社会にどう役立っている会社か」「環境に配慮している会社か」といったことを重視します。企業としての「人格」が問われていると言っても過言ではありません。まずはこの「ありたい理想の姿」を鮮明化することが必要です。近年経営のバズワードでもある「パーパス」もこうした背景から出てきたものです。



企業ブランディングの進め方

「企業ブランディング」とは、すべてのステークホルダーへ自社の魅力や持ち味を伝え、望ましい態度や行動を引き出していくための体系的な活動です。顧客や投資家、社会へ向けた対外的な活動と、社員・スタッフへ向けた対内的な活動が両輪になります。実際に企業ブランドは各現場の社員・スタッフ一人ひとりの態度や行動によって作り上げられます。そういう意味では対内的なインナーブランディングがより重要になっていると思います。 「企業ブランディング」は一般的に以下の図2のステップで進めていきます。どのステップも重要ですが、最重要工程は「ブランドコンセプトの構築」です。この上流のコンセプトがずれていると、思ったようなブランディングの効果が得られないからです。



企業ブランドコンセプトは「MVV型」が主流に

従来コンセプトは、図3のVALUE=提供価値に軸足を置いた「VMV型」が主流でした。弊社でもこの考え方に基づいてコンセプトを作成してきていました。しかし、社会との関係がより求められている現在は、MISSION=使命に軸足を置いた「MVV型」に完全にシフトしてきています。「MVV型」のコンセプトは図4のフレームワークで策定します。このフレームワークの優れたところは、横軸に「行動」だけでなく「目的」を置いたことにあります。その事業は何のためにやるのかを考えることは、自社のパーパスを考えることになり、時代が求めるコンセプトが導かれやすくなります。

一橋大学ビジネススクールの名和高司先生は、パーパスを含む優れたコンセプトを掲げている企業の共通点を3つに整理してくれています。

①「ワクワク」 思わず心がワクワクしてくるような目標が掲げられていること
②「ならでは」 自社ならでは固有の価値が示されていること
③「できる!」 全く手の届かないものではなく、頑張ればできるものであること

筆者は、実際のブランディングの仕事の中で必ずこの話を引用しています。中でも1番大事なのは①の「ワクワク」だと。人は理屈ではなく感情で動くものであり、社員のポジティブな気持ちを鼓舞できるようなものでないとダメだと申し上げています。みなさんの会社の企業理念や企業コンセプトはどうですか。この3つのポイントを満たしているかを一度チェックしてみてください。



改めて、ブランディングとは何か?

ブランディングは中長期にわたって自分の「持ち味」を作り出していく活動

ブランディングとは、自分たちの「持ち味」、つまり会社らしさ、お店らしさ、製品らしさは何かといったイメージを定め、その価値をターゲットである消費者に感じてもらうためのすべての活動を指します。ブランドの名前やロゴだけでなく、製品デザイン、店頭やデジタル表現、競合との差別化戦略などブランディング活動はとても広範な領域に渡るので、これをすればブランディングだ、と言えるものがあるわけではありません。企業や商品、お店ごとに、「らしさ」が違うように、ふさわしいブランディングは異なりますし、それによって取るべきマーケティング戦略も異なってきます。
ブランディングは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のPDCAの4段階を繰り返すことによって、理想の姿に近づいていくことを目指すものです。


ブランディングの流れ(PDCA)

ブランディングの流れ(PDCA)

1. ブランディングのPlan(計画)

出発点は自己規定!「なりたい自分」を設計する

市場成熟が進んだ現在の市場では、競合他社と同じようなことをやっていては支持されません。
万人受けを目指すのではなく、一部でも圧倒的・熱狂的なファンを作るという視点が重要です。そのためには、自分たちの強みや良さを見極め、どこにもない価値・コンセプトを見つけ出していかなければなりません。市場調査や顧客調査を行ったり、多角的な視点でブランドの強みを分析していきます。



重要タスク


ブランド価値の言語化=ブランドコンセプト開発

自分たちの会社、お店、製品やサービスの「なりたい姿」の設計図がブランドコンセプトです。
日本ではブランドコンセプトが「暗黙知」として存在していることがほとんどで、個々人で受け止め方に違いがあります。「暗黙知」が共有できている企業規模であれば、ブランドの運用に問題はないのですが、だんだん発展してくるとこの「暗黙知」の共有が課題となっていきます。ブランドのスタートの段階で、何となくぼんやりと認識されているものを、しっかり明文化し共有することが大切です。

2. ブランディングのDo(実行)

ブランドの自己アピール!
社内外のブランドへの理解・納得・共感を引き出す

策定したブランドコンセプトを象徴的に表したブランドデザインを開発し、これを軸にブランドを社内外へ積極的にアピールしていくフェーズです。 アウターブランディングでは、企業であれば名刺、看板サインや自社Webサイトなど、商品やサービスであれば広告、店頭、カタログ、Webサイト、SNSなど、多様なメディアを通じてブランド価値をリアリティある形で伝えていけるかが鍵になります。 インナーブランディングは実はブランディングの中で最も難しいテーマです。社員の意識と行動のベクトルを揃えるためには、何度も辛抱強く情報発信していく必要があります。



ブランドシンボルの開発

重要タスク
ブランド価値の視覚化=ブランドデザイン開発

ブランドロゴ、シンボル、カラー、メッセージといったブランドの基本的なデザイン要素を開発します。さらに、ブランド世界観やビジュアル表現、広告表現の基本ルールも設定します。ブランドシンボルを含む全体表現に一貫性を持たせ、ブランドの個性や価値を視覚的に伝達していきます。必要に応じて、ブランドデザインガイドラインも整備しましょう。


アウターブランディング

長期一貫したブランド価値訴求の部分と、今の時代にどうすれば存在感を高められるかという時代適応の両面からコミュニケーション戦略を立案していきます。パッケージ、パンフレット、店頭、Webサイト、広告などすべてのメディアから一貫したメッセージが感じられるようにデザインコントロールを行ったり、多様なメディア環境にフィットするメディアミックスを立案・展開していきます。


社員の求心力を高めて外へ向かう力を作り出すインナーブランディング

ブランドの体現者はひとりひとりの社員であり、ブランディングの成否のポイントはこのインナーブランディングが握っているといっても過言ではありません。 新しいブランドは社内に活力と明確な方向性を与えることが可能です。ブランド価値実現に向けて自分は何ができるかを考える「自分ゴト化」を達成することが目標です。


3.ブランディングのCheck(評価)

ブランドの実体は消費者に「どう見られているか」
常にブランドの健康状態をチェックする

ブランドの実体は消費者が頭の中に思い浮かべるイメージのことです。企業側は、その「ブランド」は自分の持ち物でありながらお客様に働きかけることによってしかブランド価値の増減に関与できません。 Planのフェーズで策定したブランドの理想的な姿に、Doのフェーズで実行したブランディング施策によって、どれだけ理想とするブランドイメージ近づけたかをニュートラルに掌握します。いわばブランドの定期健康診断であり、ブランド強化のための課題の早期発見に努めます。

実際の品質と近く品質を近づける
重要タスク


自分たちはこういうブランドだと思っていても、消費者には伝わっていないことが多いものです。まずは何が伝わっていて、何が伝わっていないのかを調査やインタビューを通じて明確にして、社内外のブランド価値に対する重大ギャップの発見に努めます。ブランド力は認知率、好意度、購入意向率など様々な指標で推し測りますが、最も重要な指標は考慮集合(=購入してもよいブランドの集合)に入れているかです。ここに入れていないと購入検討の土俵に上がることができません。考慮集合に入るために、顧客がどういうファクターを重視しているかを明らかにする必要があります。

4. ブランディングのAction(改善)

ブランドの健康状態に応じて適切な処置を講じる

ブランド健康診断の結果を受けて、その問題のレベルに応じて適切な処置を講じることになります。 大半はビジュアル表現や広告表現の修正、メディア戦略の見直しといった戦術レベルの対応になりますが、ブランドコンセプトの軌道修正やブランド基本要素の見直しにまで踏み込んだ対応が必要になる場合もあります。

ブランド課題と戦術・戦略の変更レベル


東京・大阪を中心にブランディング実績50年の株式会社TCD

50年にわたりブランディング実績を蓄積、100業種を超える経験をしてきたTCDが、「ブランディング」に必要となる市場調査、コンセプトの立案からブランド戦略に則した最適なアウトプットを構築まで、プロジェクトの一員となって経営に必要となるブランディングをサポートいたします。




TCDのブランディング・メニュー

Contact Form

まずは、お気軽に
ご相談・お問い合わせください。