2012.11.20
TCD ブランディングセミナー レポート「グローバルブランディング戦略」
2012年10月26日(金)、TCD ブランディングセミナー「グローバルブランディング戦略(講師:株式会社TCD顧問/知的財産管理技能士 高橋正広)」を開催いたしました。多数のご来場をいただき、どうもありがとうございました。90分間を3つの視点に区切り、グローバルブランドを管理しようとする誰もが突き当たる課題を取り上げ、 解決の方向についてご紹介しました。休憩時間にも中国デザイン事情のご紹介を盛り込み、濃密な90分となりました。では、当日の内容を簡単にご紹介いたします。
■第1部:現場のブランド課題からグローバル対応を探る
●ブランド価値の2つの軸:機能価値・情緒価値
- Q:中国に進出したいが?
- A:キーとなるのはローカリゼーションの必要性
多くのグローバル企業が抱える問題、それは、本社や本国と、各国の現場との文化や意識の違い、またブランド担当部門と現場の問題意識の違いです。ブランドの意味するものをどこまで相互理解ができるか。日本人が使う「心」という言葉に含まれる、マインド(理性)とハート(感情)という2つの意味の違いを意識して対応することの重要性をお伝えしました。
- Q:何を訴求したら良いのか?
- A:戦略の原点に戻る
ブランド提供価値をブレさせずにグローバルに訴求するために、常に立ち戻る「核心価値」を定義することを提言し、孫子の戦略論「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」を引用し、自らのブランドを知り、運用してゆくための組織、評価軸、構築因子などに話が及びました。よりシンプルにブランドを捉えるアプローチとして、ブランドの価値を機能価値、情緒価値の2つに分けて考え、どのようにブランドの信頼・共感へと繋がるのかという指摘で第1部を終えました。
■番外編:中国のデザイン事情 <休憩時>
香港のデザインシンポジウムでの資料を元に、中国のドメスティックデザインの現状や問題意識についてご紹介しました。
■第2部:シンプルに考える あえて言えばブランドとは「のれん」
●ブランドを自分自身に引きつけて考える
ブランドは企業求心力の「見える化」、いわば「のれん」や「旗印」といった存在であると指摘し、そのためには「借り物でない情緒的価値の社内意識化が重要」として、ブランドを人になぞらえて考えるなど、ブランドの見える化と自分ゴト化・行動化へ繋げるための様々なメディアや施策の方向性をご紹介しました。
■第3部:あらためて知的財産としてのブランドを見直す
●ブランド階層 新しいタイプの商標
ブランドの階層構造を明確に意識すること、コーポレートブランドが社標と商標の2つの機能をもつことを指摘。商標についての最近の傾向や新しい動き等もご紹介し、ブランドを管理するうえで核の一つとなる知財管理体制の重要性について指摘しました。
セミナー後は場所を移動してささやかな懇親会を行い、さらに深化したやり取りや参加者の方どうしの交流も図っていただけました。次回はセミナー会場で、より気軽に交流いただける場を設けたいと予定しております。講師への質問や参加者の方との関わりなど有意義なお時間をお過ごしいただければと思います。
では、次回もどうぞよろしくお願いいたします。