ブランディング考

2019.06.03

「ブランド課題を引き出す/コンセプトを浸透させる」など、目的によって異なる最適なワークショップ

開発段階では、潜在的なイメージキーワードを引き出す「メタファーワーク」

TCDではクライアントとブランディングプロジェクトを進めるにあたり、初期調査段階で社内ワークショップを行うことがあります。この段階では、クライアント社内の関係各部署から横断的にメンバーを選出していただきます。そのメンバーと共に、ブランドの良さ・強み・今後目指したい方向性などの認識を引き出していきます。10名程度のワークもあれば、100名を超える場合もあります。
この段階では、意識・無意識の両面でキーワードとして引き出せるように配慮し、有効なワークの一つとして写真を使った「メタファーワーク」を用いています。

写真投影法、ビジュアル刺激法、メタファー投影法、コラージュ法などとも呼ばれる手法です。ワークの参加者たちが気づいていない無意識領域、感情領域を理解し、ブランディングに必要な「情緒的キーワード」や、「イメージキーワード」を引き出していきます。

運用段階では、ブランドコンセプトに応じたカスタマイズワークを

一方、ブランド構築がひと段落し、世の中へのお披露目も終わり、いざ運用を進めていく。この段階でも社員の方々に協力を仰ぐ必要が出てきます。このインナーブランディングのために、社員を巻き込む必要性が指摘されるものの、具体的に「どう巻き込めばいいのか」「コンセプトの理解をどのように浸透させればいいのか」というご相談もよくいただきます。
こういったご相談は「社員に自分ごと化してほしい」という共通点を持つことが多く、ここでもワークショップが役に立つことも。ただし、開発段階と異なるため、世の中の一般的なアイデア発想フレームワークを転用させづらく、開発したブランドコンセプトをテーマにしたり、場合によっては読み替えたオリジナルワークを作り出したりする必要があります。

取り組みやすいのは、ブランドムービー制作のワークショップ

一からオリジナルワークを作り出すのが難しいクライアントには、ブランドムービーを社員自身で作ることをお勧めしています。ブランドムービーを作るワークショップを経ることで以下の要素を自ずと考えることになります。

グループワークやチームで取り組むことで、複数の観点からブランドコンセプトを見つめ直すことにもつながります。
スマートフォンなどを使って、自分達自身も出演してのブランドムービー制作のワークショップからは、多くの示唆が得られます。制作されるムービーのクオリティに目を向けるよりも、社員一人ひとりが参加しながら一つのものを作り上げていくプロセスの中で、ブランドを理解し自分ごと化していくアプローチです。

以上、ブランド課題を引き出す場合、コンセプトを浸透させる場合など、目的によって最適なワークショップは異なるという観点で手短にご紹介させていただきました。また機会がありましたら、他にもワークショップ事例をご紹介できればと思います。


[筆者プロフィール]西川将史 株式会社 TCD プランニングディレクター
心理学 × マーケティング × 写真 × デジタルガジェット × サッカー × 子煩悩 のコラボで、最近はデータサイエンス分野にも手を伸ばして楽しんでいます。

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