2024.06.28
育てる商標。
〜信用を積み重ね、ブランドの未来を築く〜
若松 貴三 株式会社TCD チーフプランナー
商標とは何でしょう?簡単に言えば商標は、商品やサービスの識別を目的としたマーク(シンボルやロゴ、ネーミングなど)です。これらは他の企業の商品やサービスと区別するための重要な要素であり、保護するための法律として「商標法」が定められています。商標登録をすることで、他人が同じ商標を使用するのを防ぎ、ブランドの一貫性と信頼性を維持できます。
商標を育てる重要性
商標をただ登録するだけでは、その価値は十分ではありません。商標は育てていく必要があります。これはブランドの認知度を高め、顧客からの信頼を築くためのプロセスです。育てることによって、単なるネーミングやロゴではなく、顧客の心に深く刻まれ信頼を獲得できるシンボルとなります。
身近な事例:スターバックスの成功
スターバックスは、商標を育てる成功例の一つです。スターバックスの緑色のロゴマークは世界中で知られ、同社のコーヒーやカフェの体験を象徴しています。一貫した品質の提供と顧客との誠実なコミュニケーションを通じて、ブランドの信用を築き上げました。顧客はこのロゴを見るだけで、質の高いコーヒーと快適な空間を思い浮かべることでしょう。このように、スターバックスの商標は単なるロゴを超え、文化の一部となっています。
身近な事例としては他にも、キッコーマンの六角形と漢字の「萬」のマーク、白鶴酒造や山本山のロゴは、伝統的な日本の味と品質を表しています。顧客からの信頼を築き、老舗としての信頼性と高品質の象徴として広く認識されています。
信用を積み重ねて商標を育てる
これらの事例のように、商標を育てるためには、まず信用を積み重ねることが不可欠です。信用は時間をかけて積み重ねられるもので、一朝一夕に築けるものではありません。以下のポイントを心掛けることが重要です。
1.一貫性のある品質
商品やサービスの品質を一定に保ち、顧客がいつでも安心して利用できるようにします。
2.誠実なコミュニケーション
顧客とのコミュニケーションにおいて、誠実さを大切にします。顧客の疑問や不安に真摯に対応することが信用を築く鍵となります。
3.顧客満足度の向上
顧客のニーズを把握し、満足度を高める努力を続けます。顧客のフィードバックを活用し、サービスや製品の改善に役立てます。
信用を積み重ねた商標は信頼され、やがて文化になる
信用を積み重ねることで、商標は顧客から信頼される存在となります。信頼される商標は、顧客のロイヤルティを高め、競争力を持つブランドとして成長します。さらに、長年にわたって信頼され続けた結果、やがて文化の一部として認知されるようになります。
文化となった商標は、それ自体がブランドの強力な資産となります。顧客はその商標を見た瞬間に、過去の良い経験や信頼感を思い起こし、新たな購入や利用へと向かいます。これがブランドの持続可能な成長を支える礎となるのです。
TCDでは、企業、商品・サービスのブランディングにおいて、コピーライティング、ネーミング、デザイン、権利取得をサポートしています。長く愛される商標となるようお手伝いいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
[筆者プロフィール]
若松 貴三
株式会社TCD チーフプランナー
アーティストマネージャーと野外音楽フェスティバルでの制作・広報業務に20年余り従事。TCDではプランナーとしてブランディング・デザインに携わる。週末はママさんバレーに奮闘中。