2024.10.16
TCDミニコラム #1) TCDインナーブランディングワークショップ〜ヒアリング力を高めよう〜
若松 貴三 株式会社TCD チーフプランナー
筋肉というのは、運動部位に話しかけていると大きく育ちます。こんな体型になりたいと意識するからでしょうか。筋トレ好きな私は、筋肉も聞く耳を持っているのだなと感心しています。
さて、筋肉の例えと同じかどうかは分かりませんが、会社でも理念や目標を意識し、社員が同じ方向に歩まなければ、組織はうまく大きく育たず、走って加速していくことはできないのではないでしょうか。企業が持つブランドのビジョンや理念が社員一人ひとりに浸透していることは、強い組織を築くために非常に重要です。向かうべき方向が社内で共有され、社員がその価値を理解し実践することで、初めて企業全体の力となります。こうした社内へのブランド浸透活動はインナーブランディングと言われています。
インナーブランディングでは、社員全員がブランドビジョンを理解し、活動していくことが重要になります。TCDでは、インナーブランディングの一環としてワークショップを活用し、社員が自社のブランド理解を深めるだけでなく、各自の役割に応じた実践的な改善策を共有する場を提供しています。今回は、弊社で行ったワークショップ事例をご紹介し、インナーブランディングにおけるワークショップの有効性についてお伝えします。
その一環としてワークショップを行っていますので、今回はその内容をレポートしてみたいと思います。
テーマは「ヒアリング力を高めよう」です。ヒアリング力の現状を把握し、改善策を共有するのが目的です。芦屋本社・銀座支社をオンラインでつなぎ、約40名が参加しました。
パネルディスカッション
まずは、パネルディスカッションからスタート。ベテランデザイナーやベテランプランナーの深い経験談を、みんなで赤ベコのようにうなずきながら聞きました。
ヒアリングのあるある失敗やうまくいくためのポイント、経験についての質疑応答が行われ、先輩の新人時代を自分に重ねたり、改善を繰り返すこと、ヒアリングは準備の時からが始まっている、といったことなどを学んでいきます。
ワークショップ
パネルディスカッションの次はワークショップです。芦屋と銀座のメンバーをミックスして行いました。関西と東京、遠く離れてなかなか話す機会が少ないメンバーとも、少し緊張しながらディスカッションします。こんな内容で行いました。
自分が課題と思うことのリストアップ、先輩後輩を交えたディスカッション、各経験段階による課題の整理、発表のための提案の準備のメニューで順番で、現状把握と課題解決について活発な議論が行われました。
発表
そして発表の時間です。それぞれのチームより、クライアントの悩みや期待を素直な質問で引き出すことや、相手の立場に立って信頼関係を築くこと、自分に合ったヒアリング方法を見つけることといった、それぞれが経験したり課題と思うことなどが発表されました。提案の仕方やチームごとの様々な角度からの意見に、私はヘッドバンギングのようにうなずいていました(心の中で)。
今回の学び
今回学んだこと。まずはベテランたちの失敗談から、ヒアリングの重要性を再認識しました。個人的には「ヒアリング不足が、やがてクライアントとの大きな認識のズレを生む」ということが一番の学びになりました。そしてヒアリング力は、クライアントの要求を的確に把握するだけでなく、クライアントが気づいていないニーズを掘り下げ、適切な解決策を提案するための「キモ」であるとあらためて認識しました。
芦屋と銀座を繋いで行ったワークショップでは、クライアントとのコミュニケーションの仕方など、風土や文化の違いもわかり、普段は対面することのないメンバーと接することで新鮮で多角的な角度から課題に接することができたように感じます。
今回のミニレポートはいかがでしたでしょうか?私はワークショップには、いつもドキドキ、ワクワクしながら参加しています。実は個人的には少し苦手意識もあったのですが、いざ始まるとメンバーとの理解や共感が深まった気がして、我が社って素敵だなとしみじみと感じます。そして、緊張で少しあったかくなった胸に手を当て、「これぞインナーブランディングだなあ」と胸筋に話しかけるのでした。
[筆者プロフィール]
若松 貴三
株式会社TCD チーフプランナー
アーティストマネージャーと野外音楽フェスティバルでの制作・広報業務に20年余り従事。TCDではプランナーとしてブランディング・デザインに携わる。週末はママさんバレーに奮闘中。