2024.09.05
空港お土産さんぽ 〜大阪・ドバイ・バルセロナ〜
笹倉 彩加 株式会社TCD チーフデザイナー
最大9連休となった今年のお盆休み。旅行された方も多いのではないでしょうか。今回は、海外旅行を通して、空港のお土産売り場を観察しました。
出発の地、関西国際空港
関西国際空港は、関西で唯一国際線の定期便が出ている空港です。現在、大規模なリノベーションが進んでいる最中で、ショップや飲食店は和モダンな雰囲気が広がっています。
出発前に、お土産屋「関西旅日記」に立ち寄りました。ここで目を引いたのは、各ブランドごとに設けられたディスプレイです。幅60センチほどのアクリルケースの中には、お菓子の精巧なサンプルと小物たちが綺麗に並べられています。こうしたディスプレイはお菓子を説明するだけでなく、日本らしい世界観を演出して旅行者の気持ちを盛り上げる役割もあるように感じました。
旅行者の買い物を見てみると、抹茶のお菓子や雅な花のイラストが全面に描かれたパッケージなど、やはり和な雰囲気が好まれているようです。意外にも、パッケージにいちごが大きく載っているお菓子を買っている人も多かったです。イラストからなんとなく味の想像がしやすいからでしょうか。
黄金のヤシの木がそびえ立つ、ドバイ空港
乗り継ぎで降り立ったのはドバイ空港です。ターミナル内を移動するための動く歩道の両脇には、大きなヤシの木が立ち並びます。さらに進んでいくと、免税店エリアの中央に黄金のヤシの木が。
そんなスケールの大きいドバイ空港に並んでいたお土産は、世界一の高さを誇るタワー、ブルジュ・ハリファのイラストが描かれたデーツ(ナツメヤシ)やチョコレートなどのお菓子。ラクダのぬいぐるみや絨毯・小物入れなどの工芸品です。店内やパッケージには金色がたくさん使われており、ドバイらしいきらびやかさを感じました。
近代的な雰囲気が漂う、バルセロナ空港
旅の終わりに訪れたのは、スペインのお土産が揃う「STAMP」。入り口ではグエル公園でお馴染みのトカゲが、ユーモラスな姿で迎えてくれます。
スペインにはサグラダ・ファミリアをはじめとした、天才建築家アントニ・ガウディが手がけた名建築の数々があります。それらをモチーフとしたお土産物も多く展開されていました。建築の写真をそのまま載せるのではなく、線画にしてシンプルにあしらってみたり、色彩豊かなステンドグラスをモチーフにしてファブリックに展開したりと、要素をうまく使っておしゃれにデザインされているところに購買意欲をそそられます。店内もパッケージも鮮やかな色使いのものが多く、スペインの陽気な雰囲気を反映しているようでした。
選んだお土産とその理由は…
職場へのお土産には、スペインの伝統的なお菓子であるトゥロンを選びました。創業1775年の老舗菓子店「Vicens(ヴィセンス)」の最高級品シリーズ「Turron Excellence(トゥロン エクセレンス)」は、メタリックシルバーの紙質とマットなブラックを組み合わせた高級感溢れるパッケージに包まれています。「現地ならではの味」であり「会話に発展しそう」という観点から、日本ではあまり馴染みのないお菓子を選んでみました。
一方、家族へのお土産には、グエル公園をモチーフにしたデザインのチョコレートを選びました。「どこに行ったのか」が明確で、すぐに渡せそうにないため「日持ちのするもの」を考えて選びました。取手のついた箱に、カラフルな包み紙のチョコレートが詰まっており、親しい相手に気軽に渡せそうなかわいいパッケージです。
こうして渡す相手やその後の会話を想像しながらお土産を選ぶのは、旅の中でもとても楽しい時間でした。
さて、TCDでは今までお菓子のパッケージを数多く手掛けてきました。その中には、駅や空港に並ぶ商品もあります。
とよす洛味堂「ハイサラダ・デリ」は、スーパーの銘店コーナーを中心に展開するおかきブランドです。今年の7月にはリニューアルを行い、よりカジュアルにみんなで楽しめるお菓子になりました。
帰省シーズンなどには、駅のお土産売り場でも販売されています。見かけた際はぜひお手に取ってみてください。
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[筆者プロフィール]
笹倉 彩加
株式会社TCD チーフデザイナー
お菓子や日用品を中心としたパッケージデザインを担当。可愛いものが好き。