2024.09.13

リブランディングのビフォーアフター事例
〜商品リブランディング〜

幅広く支持されていた商品であっても、長い時間がたつと顧客ニーズの変化や事業の方向転換などによって、リブランディングを検討するタイミングが訪れます。この記事では、TCDでお手伝いした商品リブランディング事例をわかりやすくビフォーアフター形式でご紹介いたします。


事例1  かきたねキッチンのリブランディング

リニューアルの概要

日本初の柿の種専門店として2011年にスタートした、とよす株式会社のかきたねキッチン。
TCDでは、ブランドの立ち上げ時よりブランディングをサポートし、ブランドの鮮度や時流に合わせリニューアルをお手伝いしています。
最新の2023年のデザインリニューアルでは、「毎日を、ハッピーに」をミッションに、商品・店頭を一新しました。旧デザインは百貨店に来店されるお客様を想定し、ギフトアイテムらしいトーンでしたが、様々な流通での販売やニーズの多様化に伴い、かわいく親しみやすい印象へリフレッシュしました。


デザインのポイント

アフターコロナからのリニューアルということもあり、デザイン検討を進める前に生活様式の変化や変わらないものを洗い出し、ブランドを振り返り改めてBPS(ブランド・ポジショニング・ステートメント)を策定しました。
共感性を生むミッションにもとづいて、店頭で「楽しさ」が伝わるカラーリング、わかりやすくPOPなイラストなどを使い、米菓の印象をより親しみやすく汎用性の高い商品へとイメージチェンジしました。


事例2  とよす洛味堂のリブランディング

リニューアルの概要

とよす洛味堂は、百貨店やスーパーの銘店コーナーを中心に店舗を拡大している米菓ブランドです。
2014年、フル・ブランドリニューアルを行い、それまで「花」をモチーフにして展開していた商品群を見直し。ブランドコンセプトからロゴ、パッケージ、店頭ツールに至るまでを一新しました。
「米菓で贈る、日本の四季の便り。」をコンセプトに、ブランドの魅力を再構築。ビジュアルやコピーを通して伝えていくことで、顧客とのコミュニケーションをより強固にするとともに、より若い層にも親しまれる米菓ブランドを目指しました。


デザインのポイント

リニューアルでは、それまでの可愛い和の雰囲気は引き継ぎつつ、日本の四季をテーマに要素をモダンにブラッシュアップしていきました。
また、新たにブランドモチーフ“らくみ鳥”を開発。四季の実りや豊かさを米菓に乗せて届けるというストーリー性を持たせて、ブランドのアイデンティティを構築していきました。
こうして新たに生まれ変わったデザインは店頭でも世界観を発揮し、新たな顧客層やリピーターの獲得にも繋がっています。



事例3  とよす洛味堂 ハイサラダ・デリのリブランディング

リニューアルの概要

とよす洛味堂「ハイサラダ・デリ」は、軽い食感が特徴の小粒あられです。発売当初は“デリ=こだわりの惣菜”というコンセプトで始まり、珍しい惣菜味を取り揃えたあられでした。
2024年のリニューアルでは、味のラインナップをより広くお米に合うものに変更したことで、“デリ=デリシャス”という新たな意味合いに。また、消費者の需要がカジュアルギフト・デイリーニーズへシフトしてきていることなどから、より若い人たちに向けて手軽に買いやすい商品へと生まれ変わらせていきました。


デザインのポイント

デビュー当初のデザインは、デリカテッセン(惣菜店)のメニュー黒板のような濃いグリーンをキーカラーに、「高級感」「珍しい味」を表現していました。
リニューアル後は、「幅広い層が楽しめる」「お米に合う味」ということを表現していくためにトーンを変更。素材を主役にしたイラストとアイテムカラーで、店頭でのバラエティー感と賑やかさを演出しました。親しい方への手土産・おやつタイムなどに選んでいただけるような、明るくカジュアルな雰囲気に仕上げています。



事例4  ササヘルスのリブランディング

リニューアルの概要

株式会社大和生物研究所は1963年に設立以来、クマ笹の抽出液を用いた様々な製品を展開してきました。1969年に販売開始された「ササヘルス」は主力商品として長年にわたり愛されてきましたが、主要顧客の高齢化が課題となっていました。さらに、企業理念の「自然随順」が顧客に十分に浸透していないことや、笹の効能に対する認知の低さも課題になっていました。これらの課題を解決するため、コーポレート・ブランドの刷新とともに、「ササヘルス」のリニューアルを進め、顧客の若返りを目指すことになりました。


デザインのポイント

リニューアル後のコーポレート・ブランドでは「Minimal Wellness」を新たなタグラインとして掲げ、コンセプトを再整理しました。日本文化に根ざした笹の知恵を活かし、ムダなものを省き本当に必要なものだけをとり入れる「引き算の健康法」により、自分らしいライフスタイルの実現を支援したいという想いが込められています。
この想いは、パッケージデザインにも反映されています。具体的には、製品名を明朝体の縦書きにして和のトーンを取り入れることで、日本古来から重宝された笹の効能を感じさせながら、上質なイメージを演出しています。また、パッケージ全体の配色や笹のイラストレーションをシンプルにし、英語の製品名と「Minimal Wellness」をあしらうことで、ミニマルかつモダンなデザインにアップデートしました。


商品ブランディングの効果とその重要性

顧客ターゲットの変化やブランドコンセプトの刷新に伴う商品リブランディング事例を紹介しました。時代の流れや顧客ニーズの変化に柔軟に対応し、ブランドの価値を再定義するリブランディングの重要性をご理解いただけたのではないでしょうか。
ブランドのコンセプトや戦略を効果的に伝えるタッチポイントとして商品パッケージのデザインを見直すことで、新たな市場での競争力強化や顧客層の拡大を期待することができます。

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