2018.04.20

コピーライターから見た、メールの文章とは?

由良 綾子 株式会社TCD コピーディレクター

4月に新入社員を迎えて、研修やOJTを担当されている方も多いのではないでしょうか。基本的なビジネスマナーの中でもメールの書き方は、私たちコピーライターと特に関係が深いと言えそうです。
そこで今回は、コピーライターの視点でビジネスメールについて考えてみたいと思います。

一目で意図が伝わるタイトルを

メールのタイトル(件名)は、まさにキャッチフレーズ。人が瞬間的に認識できる文字数は13文字程度とも言われており、短い文字数でわかりやすくまとめる必要があります。近年はスマートフォンでメールを見る方も多く、タイトルが全文表示されないケースもありますので、なるべく文頭に伝えたいワードを入れた方が良いでしょう。

なお、新入社員世代のコミュニケーションツールは、短文やスタンプのみでやり取りできるLINEなどが主流。メールに慣れておらず、タイトルをつけることが苦手な傾向があるようです。

本文はさりげなく、読みやすく

メールの本文と類似しているのは、長めの文章でメッセージを語る、広告の「ボディコピー」。できるだけ読みやすいように、基本的なメールのルールの加えて、私が心がけているのは下記の3点です。

1.語尾、接続詞にバリエーションを
「〜と思います」「〜しました」など同じ語尾を何度もくり返すと、文章が単調になり、子供っぽい印象になりがち。
現在形と過去形、「〜でしょうか」といった疑問形、「〜かもしれません」といった仮定形、「〜いただけますと幸いです」といった慣用表現などを織り交ぜることでリズムが良く。接続詞も「また」「さらに」「次に」「加えて」「なお」などを使い分けることで、メリハリが生まれます。

2.漢字と仮名をバランスよく
たとえば、次の二文を見てみましょう。

「次回会議時間変更依頼」
「つぎのうちあわせにかんするリスケジュールメール」

漢字も仮名も続き過ぎると読みづらく、漢字は固い印象、ひらがなは稚拙な印象を与える可能性も。
「次回会議の時間変更について」など、適度に漢字と仮名を混ぜることで、スムーズに読み進められます。

3.長いメールは要注意
なるべく短く簡潔なメールがベターですが、ある程度長くなる時もありますよね。そんな時はボディコピーでも多く用いる、次の方法を検討します。

・いくつかの項目に分け、通し番号や小見出しをつける。
・ 箇条書きにする。
・ 「詳細は○○(ファイル名)をご覧ください」などと記し、添付ファイルを活用する。

以上、コピーライターから見たビジネスメールについてご紹介しました。

ビジネスメールは広告コピーとは異なり、強いインパクトやひねりは求められません。
だからこそ、読みやすさ、誤字脱字の有無、ちょっとした言い回しからパーソナリティが透けて見え、その積み重ねがコミュニケーションの進展につながるのだと思います。

[筆者プロフィール]

由良 綾子

株式会社TCD コピーディレクター

紙媒体からWebやムービーのライティング、ネーミング、コンセプト立案まで、TCDのコピーライティングを幅広く担当。趣味は国内外を問わず、旅行と街歩き、食べ歩き。

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