2021.12.07
ターゲットに寄り添い、魅力を最大化するWebサイト「コクヨ&パートナーズ株式会社」
由良 綾子 株式会社TCD コピーディレクター
企業のWebサイトといえば、各社の顔とも言えるコーポレートサイトを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。製品やブランド、採用、ECなどのコンテンツは、コーポレートサイトに含まれている場合と、個別のWebサイトとして独立している場合があります。いずれの場合も、それぞれのコンセプトやデザイントーンなどがバラバラだと、見る人の違和感や混乱を招きかねないので、統一された価値観、世界観を保つことが大切です。
今回は、異なるターゲットに向けて、複数の部署から担当者が集まって制作されたコーポレートサイトの事例をご紹介します。
コクヨ&パートナーズ株式会社は、オフィスの専門家であるコクヨの強みを活かし、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを提供しています。クライアント企業に数名のチームとして常駐し、総務などを担う「ビジネスコンシェルジュ」のリーディングカンパニーです。
もともとのWebページは、母体であるコクヨのコーポレートサイト内にありました。「コクヨのBPO」の認知度を高め、強みが明確に伝わることを目指して、コクヨ&パートナーズの独立したコーポレートサイトを制作するにあたり、TCDではコンセプト立案からデザイン、コピーライティングまでをトータルに担当しました。
プロジェクトチームと議論を重ねて推進
コクヨ&パートナーズのBPOは、「オフィスサービス」「ナレッジワークサポート」「コワーキング・コミュニティスペース事業」と3つのサービスが柱となっています。その各営業をはじめ、採用、システムなどの担当者が、リーダーの元でプロジェクトチームを結成。TCDとともに定例会議を開催し、段階的に議論を重ねていきました。もっとも時間を要したのは、「どのターゲットに、どのように、何を伝えるか」についてでした。
大きく異なる2種類のターゲット
最大のターゲットは、BPOサービスの導入を検討されている企業の担当者です。その次が、「ビジネスコンシェルジュ」などの採用に対する応募検討者となります。両者はサイトを訪れる目的も、パーソナリティも大きく異なります。そのため、ページによってデザイントーンやメッセージを緻密に設計する必要がありました。
コアターゲットのBPO導入検討者に対しては、信頼感、期待感を醸成しつつ、独自性、サービスの特徴を明確に表現しなければなりません。
コクヨ&パートナーズでは、ただお客様のサポートをするだけではなく、「一歩先ゆく 気づき・くふう」という行動指針のもと、「働きやすさ」を追求し、改善を続けていきます。その姿勢をトップページのメインビジュアルで大きく訴求。「何ができる、どんな会社なのか」を文章で端的に表現しました。シンプルで明快なデザインのアクセントカラーにはオレンジを用い、親しみやすさ、明るく前向きな姿勢を伝えています。
2番目のターゲットである応募検討者に対し、「採用情報」は他のページと異なるアプローチで制作。デザインの統一感は保ちつつ、写真やイラストを多く用い、社員インタビューや社内イベント紹介を充実させることで、実際に働いているイメージを想起しやすくしました。
文章もやわらかなトーンとし、「思いやり、前向きな気持ち、好奇心、アイデア」を大切にする社風、求める人物像が伝わるように配慮しています。
コンセプトがプロジェクトを牽引
プロジェクトのスタート当初、それぞれ立場もWebサイトとの関わり方も異なる各メンバーから、様々な要望や意見が飛び交いました。活発に議論を重ねる中で、コクヨ&パートナーズの行動指針であり、サイトのコンセプトでもある「一歩先ゆく 気づき・くふう」が全体の道しるべとなり、各自の思いが一つに集約されたWebサイトが完成しました。
私たちTCDはこれからも、進化・変化を遂げていく企業とお客様との接点を、よりよい形でお届けできるよう、ともに進み続けていきます。
コクヨ&パートナーズ株式会社
https://www.kokuyo-partners.co.jp/
[筆者プロフィール]
由良 綾子
株式会社TCD コピーディレクター
紙媒体からWebやムービーのライティング、ネーミング、コンセプト立案まで、TCDのコピーライティングを幅広く担当。二級知的財産管理技能士。趣味は国内外を問わず、旅行と街歩き、食べ歩き。