2016.12.09

子育て×デザイン 〜子どもに受ける色・受けるパッケージデザインとは〜

「子育て×デザイン」では、TCDで働いているママスタッフ達で立ち上げた「ママデザイナープロジェクト」のメンバーによるコラムをお届けします。
1回目は、日常の子育ての中でデザインについて考えさせられた場面についてのお話です。

初回のテーマは、「子どもに受ける色・受けるパッケージデザインとは」。
(スタッフA、F、H、T、I 5名)

まずは、それぞれ子供たちにヒアリングしてみました。
一番小さい1才の女の子がいるスタッフTは、日頃どういう色や形に興味を示すかをチェック。
1歳児の視力はおよそ0.1と言われています。
T:「まだよく見えてないからなのか、とにかくはっきりした色に反応します。絵本などもそういった点に配慮されたものが多いですね。形は、とにかく丸いものばかりを選びます。ブロックなんかも丸いものばかり集めたりしてますよ。」
A:「まだ自分の好みというよりは、本能的に選んでいるのでしょうね。」
T:「そうですね。あとは、普通のおにぎりは食べなかったんですが、ラップに顔を描いて出すと食べるようになりました。」
I:「ラップに描いただけで?不思議ですね。」
H:「顔がついていると食べられないという子もいますよね。たい焼きとか。1歳児だと興味が湧いて手が伸びるのでしょうね。」

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4才の女の子がいるスタッフAは、双子の子供たちが選ぶパッケージを持ってきてくれました。
A:「先日、スーパーのお菓子コーナーで「何でも選んでいいよ」と言うと『クッピーラムネ』を持ってきました。キャラクターは強いですよね。『クッピーラムネ』は1歳から食べられるシリーズもあるので、数年に渡ってお世話になっていますが、彼女たちなりに“安心のブランド”になっている気がします。」
F:「ロングセラーの商品ですよね。ずっと愛されているのは理由があるのでしょうね。」
I:「なにか楽しい物語が始まりそうなワンシーンが描かれている、“絵本のような世界感”というのがポイントかもしれませんね。」
H:「絵本のような世界観というと、『きのこの山』や『たけのこの里』、『コアラのマーチ』などもそうですね。」

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私(I)も、5才の息子をよく観察してみました。
I:「色は、赤、青を好みます。茶色やモノトーンは好きではありません。あとは、その時々のテレビ番組のヒーローの色を意識しています。」
A:「女の子はテレビ番組のプリンセスのキャラクターの色を意識していて、ランドセルもその視点で売れる色が変化するようですよ。」

I:「男の子も女の子もキャラクターになりきったりするので、意識しているようです。また、パッケージについては、キャラクター(知らないものも含め)や、動物の入ったものは「自分たちの商品だ」と意識するようで、興味を持っていますね。大人向けの商品でも顔のデザインがされたものにも興味を示すことがあって、例えば掃除グッズの『激落ちくん』を持ってきて「これ買って」と言ってきたこともありました(笑)」

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5才の女の子のいるFは
F:「うちの子は、ピンクがとにかく好きです。柄は、水玉、ハート、リボンが好きで、キラキラしたものにも興味を持つようになりました。保育園の周りの子もみんなキラキラした何かを身に付けています。保育園が制服なので、唯一自由に楽しめる靴にこだわっていて、女の子はキラキラ、男の子は早く走れそうなイメージで選んでいるようです。」

1番大きい(小学5年生の女の子)がいるHは、好みもはっきりしているので、たくさん聞いてきてくれました。
H:「自分の子どもだけでなく周りの子も含め、好きな色は年齢によって変わっていくように思います。
うちの子は ピンク→水色→紫→ピンク&黒 と変化しました。
今ではピンク、水色は幼児の色という印象があるようです。
パッケージの好みは、ゆるいイラストのもの、仕掛けのある面白いものに惹かれるそうです。今回座談会を開くことを話すと「絶対にこれを持って行って」と一番好きなパッケージを手渡されました。自分でこれがいい!とパッケージで選ぶことも多くなりましたね。」

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子どもたちの主張は世間と完全に合致するかは分かりませんが、多少のヒントにはなりそうです。

赤ちゃんの色覚についても話題に上がりました。
赤ちゃんははっきりした色の方が識別しやすいそうです。海外のおもちゃなどではビビッドなカラーリングが目立つのはその前提に基づいているのでしょうね。

色の識別といえば、色覚異常のある方は暖色系同士や同じ様な明度のカラーだと見分けがつきにくかったり、加齢に伴った目の変化によっても黄色が見えにくくなったり全て暗く見えるようになるなど、「色覚のバリアフリー」という観点は今後ますますデザイナーに求められる知識になってくると感じます。

子どもの目線に配慮し、認識しやすくデザインされたものは、高齢者や、色覚異常のある方、それだけでなく全ての人に認識してもらいやすいデザインということかもしれません。
また、子どもの目をひくものは、大人の目にもキャッチーに映るものばかりです。
子どもの嗜好や感覚を分析することは、すべての人に響き、受け入れられやすく、認識しやすいものを見つけるヒントになるのだと感じる座談会になりました。

子育て視点でのデザインの見方については、今後も続けていきたいと思います。

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