2021.02.22
ファイザーのリブランディング、他|BrandingTopics 2021年1-2月
田中 恵子 株式会社TCD クリエイティブディレクター
2021年を迎え、新しい年の始まりということもあってか大型のリブランディングがいくつか発表されました。この1-2月で注目したブランディングをご紹介します。
ファイザーのリブランディング
製薬企業大手のファイザーが12年ぶりにロゴをリニューアル。創業以来、ロゴ中心だったブランドマークにシンボルが加わりました。新しいシンボルはPを思わせるリボン状のもので、錠剤の形を分解し、DNAのらせん構造をモチーフにしたそうです。ロゴタイプそのものも、丸みがあったものからよりシャープな印象なりました。
リブランディングの発表の際に、ムービーでコンセプトを紹介する手法は、業種に限らず普及してきた気がします。
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GMのリブランディング
米国の自動車メーカーGMも、ロゴデザインをリニューアル。このリニューアルはなんと1964年以降初めて、つまり57年ぶりのリニューアルとなりました。スクエアのベースに「GM」というロゴで構成するという考え方はそのままに、デザインを大幅に変更。大文字から小文字に、カラーもより若々しいブルーとなりました。同社のテクノロジーブランドである「Ultium」「Periscope」なども同じロゴタイプで展開されているようで、制定書体としているのかもしれません。
参考サイト)
GMがEVへの本気度を示す新ロゴを発表、ウェブサイトも刷新 | TechCrunch Japanr
バーガーキングのリブランディング
バーガーキングもロゴやパッケージ、制服までトータルにリブランディング。といってもこちらのロゴデザインは60年代から90年代に用いられていた古いロゴをモダナイズしたものです。商品パッケージはとろけるようなタイポグラフィが大胆にあしらわれていてカジュアルな遊び心が感じられます。
Twitterがオリジナルフォント「CHIRP」でブランド強化
Twitter社はブランドの強みである感情と表現を包含する「アート・ファースト」なアプローチを目指し、新たなデザインシステムを導入すると発表。あわせてオリジナルフォント「CHIRP」も開発されました。アルファベット以外の言語も開発しているそうで、日本語でも「CHIRP」フォントを楽しむことができるかもしれません。
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意図的な不完全さ
I want to give a bit more depth to Chirp, our new typeface.
Type, in 280 character doses, is the foundation of Twitter. In the history of the company we’ve either relied on someone else’s typeface, from SF Pro and Roboto, to Helvetica Neue in our brand. pic.twitter.com/OrvlYsxF9g
— Derrit DeRouen (@DerritDeRouen) January 27, 2021
コカ・コーラのブランドプロモーション
ヨーロッパではコカ・コーラ ロゴがないコカ・コーラが登場。いつものロゴがあったスペースには、友人や家族へのメッセージを入れるスペースが設けられています。このメッセージはコカ・コーラの「Open to Better」Webサイトでオリジナルなものを入れて購入することが可能で、現在注文が殺到しているそうです。ブランドプロモーションなのにロゴを消してしまう、こうした大胆な試みができるブランドはそう多くはないでしょう。
参考サイト)
Coca-Cola loses its logo in bold new design | Creative Bloq
[筆者プロフィール]
田中 恵子
株式会社TCD クリエイティブディレクター
コンセプトからそのデザイン、コミュニケーションまでさまざまなブランド開発プロジェクトに携わる。デザイン領域にこだわらず暮らしをよりよくできるモノゴトをめざす。