2019.07.24
3つのフェーズで考えるウェブサイト分析
ウェブサイトのリニューアルのため、分析をすることがあります。ペルソナ、カスタマージャーニー、ユーザーエクスペリエンスなど、数えればキリがないくらい専門用語がありますが、今回は専門用語は極力使わず、3つのフェーズでウェブサイトを大まかに捉えてみます。
少し話がそれますが、この3つのフェーズはオフライン(リアル)でもよくあるフェーズです。以下は私のとある休日の行動です。
雨の降る休日に子供とどこに行こうかと考え、インターネットで検索をしました。そして、美術館やショッピングモールなど屋内で遊べる場所をピックアップ。その中でも、子供も初めてとなるプラネタリウムに行こうとなりました。
自分にとっても久しぶりで、夜空の投影にとても感動しました。星の数や瞬き、等級による色の差異など精度が高く「非日常を体験」できたことで心が動いたのだと思います。
「プラネタリウムにまた行きたい」「あの星はなんだろう」と、少し興味が広がってきています。
このように、行き先を決め、どんな体験をして、どんな行動(変化)をしたのかという流れは、現実の生活で日常的に行なっています。リアルな体験だと分かりやすいのですが、ウェブサイトとなるとパソコンやスマートフォンの中で展開されるので、その感覚が抜け落ちがちです。「〇〇を体験できたからまた来よう」、「自分にとってとても有益な情報があったからチェックしよう」など、何をユーザーに体験してもらうかがとても重要です。
みなさまご自身のサイトも、大きく3つに分けて簡易的に分析してみましょう。ユーザーがどのようにサイトに訪れ、どんな体験をして、どんな行動をしたのかというフェーズで大まかに分析します。
分かりやすくするために、サイトを「実在するお店(例:靴のブランド店)」として考えます。こうして考えるとリファラー、ダイレクトなど言葉の意味でなく、リアルな像が浮かびやすいです。
どのように来店したのか?
大まかに言うと訪問の種類は5つに分けられます。
・「ブランド名〇〇」を調べて来店
・知り合いから聞いて来店
・CMや広告を見て来店
・「ランニングシューズ」と調べて来店
・歩いていて偶然来店
上の3つがブランド名を知って来店していて、下の2つはブランド名を知らずに来店してるとも捉えられます。どのように来店したかで、ユーザーの像は大きく異なります。
ご自身のウェブサイトの種類別来店者数を、5つの種類のとなりに記載してみてください。最大数を100人とすると感覚的に理解しやすくなります。
どんな体験(接客)をしたのか?
最終目標のどんな行動をしてもらいたいか、から導かれる部分はあると思いますが、来店の種類に応じて伝える内容や方法(接客スタイル)は直感的に違うはずです。それをどのバランスで、どう分かりやすく伝えるかが情報設計であり、コンテンツの内容に大きく関わってきます。その情報設計がうまくいっていないと、一方的に知って欲しいことだらけとなり、ユーザーはすぐお店を離れてしまいます。ユーザーの知りたいことと店側が伝えたいことに乖離が無いように、バランスを取ることがとても重要です。
コンテンツの中で、よく見られているのに直帰率が高いものを探してみましょう。
どんな行動をして欲しいか?
先のプラネタリウムの例で言うと「また来て欲しい」「もっと宇宙や星に興味を持って欲しい」のように、ウェブサイトには「問い合わせを増やしたい」「購入して欲しい」といった目標があると思います。その目標達成までの現状のフェーズを把握して、課題を見出し、サイトを改善していきましょう。
全体の何%の人がCVに辿り着いているか、きちんと把握しましょう。
このように3つのフェーズで区切ると、大まかなサイトの流れを掴むことができます。ウェブサイト上でどんなユーザーに、どんな体験をしてもらいたいか、それによってどう行動して欲しいか。そのシナリオが大事になります。表面のデザインだけでなく、情報や構成を整え、ユーザーに最適な形で伝える。それにより、自然な流れで行動をしてもらう。それを踏まえて、改めてご自身でサイトの現状を捉えてみると、さまざまな課題が見えてくるはずです。