2023.05.02
ブランドガイドライン、活用していますか?
みなさんは、ブランドガイドラインを活用していますか?
ブランドガイドラインとは、企業やブランドが自社のブランドイメージを統一的かつ一貫したものにするための指針やルールをまとめたものです。
「社内にあるけれど、あまり使えていない」、「デザイナーが使うものだから使ったこともないし、見たこともない」という人も、実は少なくないのではないでしょうか。
本来ブランドガイドラインは、会社などの組織内の人間だけではなく、外部パートナーや一般のお客さまに対しても、ブランドに関するさまざまなことを伝えるために活用されます。ブランドを表現する方法や指針を、誰もが理解できるような内容になっているのが「ブランドガイドライン」なのです。
以下にブランドガイドラインを活用することで得られる効果を3つあげてみました。
1.ブランドの一貫性を維持できる
例えばこの画像をご覧ください。
どうでしょうか。A・Bそれぞれの形は同じだけれども、受ける印象は違うのではないでしょうか。
ガイドラインがないと、異なる部門や個人が自分の好みや判断に基づいてロゴ、フォント、色などを変更する可能性があります。そうなると、本来伝えたいメッセージや印象がぶれて伝わり、一貫性が保てなくなります。ロゴ、フォント、色、スタイル、などすべての要素が一貫していることではじめて、望むべきブランドイメージを維持できるのです。
2.ブランドを明確化できる
ブランドガイドラインにはブランドの存在意義や、ブランドストーリー、ミッション/ビジョン/バリュー、ターゲットなどあらゆるブランドについての定義(ブランドアイデンティティ)が含まれており、ブランドが明確化されています。そのため、どんな立場の人でも正しくブランドを理解した上で、ブランディング活動を行うことが可能になります。
3.ブランド管理の効率化
ブランドガイドラインがないと、ブランドを訴求する際に意図したクオリティに達していない訴求が出てくる可能性が高くなります。それらを管理するために人員や手間をかけるよりも、ブランドガイドラインで効率化することが望ましいです。
例えば、ブランドガイドライン内で、「してはいけないこと」を明確に定義することで、プロジェクトにおけるブランド表現への疑問が減り、内部や外部のクリエイティブチームと不必要なやり取りの量を減らすことが可能です。
ブランドガイドライン事例3選
ここで、実際に世界や日本で公開・運用されているブランドガイドラインの事例をご紹介したいと思います。
1. audi
https://www.audi.com/ci/en/renewed-brand.html
audiでは基本の構造はもちろん、オリジナルのフォントの配布から、音楽、UIやUXの考え方まで、ありとあらゆる規定が公開されています。日々、表現や媒体によって内容が細かく更新されており、いかに繊細にブランディングを行っているかがよくわかる事例です。
2. freee
https://brand.freee.co.jp/
freee株式会社は、法人・個人事業主向けのクラウド会計ソフトを運営している企業です。ブランドの世界観を表現する「かろやかシンプル」「あんしんインテリジェント」「まえむきリラックス」「たのしさスパイス」という4つのキーワードがそれぞれどういう考え方で、どういう表現が適切なのか、OKのビジュアルとNGビジュアルを交えて丁寧に説明されています。
3. Starbucks
https://creative.starbucks.com/
見ているだけで楽しくなるような表現が盛り込まれているスターバックスのブランドガイドライン。イラストレーションではあえて明確な方向性は定めず、幅を持たせることでアートかつトレンドを意識した規定になっています。また、ケーススタディでは季節ごとのキャンペーンなどの表現を確認することができ、的確にスターバックスらしさを理解することができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。ブランドガイドラインは企業にとって、なくてはならない重要な指針となる存在です。ただ、守ることは大前提ですが、重要なことは「どうしてそのルールが存在して、どういう表現でブランドを作り上げたいか」を理解することです。この機会にぜひ、ブランドの理解を深めるひとつの手段として、ブランドガイドラインを活用してみてください。