2017.01.10
ブランディング会社のスタッフが選ぶ 2016年ブランディングトピックス10
さまざまなブランディング事例やトピックスをご紹介している「ThinkBranding」ですが、今回も2016年を振り返って、話題になった、注目を集めたブランディングをTCDスタッフにアンケートしました。 30名以上のクリエイティブスタッフがチョイスしたブランディングトピックスは60以上。その中から得票の多かったものを中心に10のトピックスをご紹介します。
2016年はオリンピックイヤーだったこともあり、オリンピック関連の話題がやはり注目を集めました。また、これまでとは違うビジネスの仕組みの登場や、訪日観光客の増加を受けた観光関連の施策、地域との連携を図った全国的な取り組みなども目立ちました。
■オリンピックイヤー
東京2020大会エンブレム決定とリオオリンピック開催
3月に東京2020大会ロゴが決定し、夏のリオオリンピック閉会式ではプレゼンテーションパフォーマンスにロゴデザインが取り入れられていました。幾何学的な形状を組み合わせたモチーフなので、動的な展開がさまざまにできそうです。リオ大会そのものも大変盛り上がりましたが、日本のコンテンツをふんだんに取り入れた東京への引き継ぎ式も話題になりました。
参考サイト)
朝日新聞デジタル 2016リオオリンピック(リオ五輪)
http://www.asahi.com/olympics/2016/
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 2016年4月27日付
東京2020大会エンブレムを発表!
https://tokyo2020.jp/jp/news/notice/20160427-02.html
■注目を集めたふたつの「GO」
世界中で大ブーム「Pokémon GO(ポケモンGO)」
今年の夏に世界リリースされ、大きな話題になったPokémon GO(ポケモンGO)」。拡張現実(AR)技術を利用した位置情報を用いて遊ぶスマートフォンゲームで、親しみやすいポケモンキャラクターとシンプルなUIは幅広い年代に支持され、街を歩いてモンスターを捕まえる姿が日本のあちこちで多く見られました。
The Game Awards 2016でベストモバイルゲーム部門1位を獲得し、Appleの年間ゲームアプリダウンロードでも1位、さらにGoogleの急上昇した検索ワードランキングでも1位になっています。
参考サイト)
ORICON STYLE 2016年12月10日付
『ポケモンGO』がベストゲームに 「Google Play」ヒットタイトルから振り返る2016年
http://www.oricon.co.jp/news/2082858/
新しいリアルショッピングの形「Amazon Go」
2017年にシアトルで開店する予定のAmazonの新業態「Amazon Go」。一見すると普通のスーパーのように見えますが、そこにレジはありません。顧客は入り口でアプリをスキャンしたら、あとはショッピングバッグに欲しいものを入れていくだけ。店を出ると自動的に決済が行われます。日本でもセルフレジの普及が進んでいますが、もう一歩先を行くAmazonのサービスがどういう形で広がっていくのか注目です。
参考サイト)
ハフィントンポスト 2016年12月10日付
Amazon Goの仕組み 「カメラとマイク」で実現するレジなしスーパー
http://www.huffingtonpost.jp/tak-miyata/amazon-go_b_13521384.html
■引き続きフラットデザイン
今年もさまざまなブランドロゴのリニューアルが行われましたが、やはりフラット&デジタル対応を目的としたものが多かった印象です。
マスターカード ブランドロゴリニューアル
マスターカードの20年ぶりのブランドロゴリニューアル。サークルが重なり合ったシンボルのイメージはそのままに、視認性を高めるためシンボルとロゴタイプが切り分けられました。デジタル対応を意識したこのロゴデザインは、実は1979年に利用していたロゴデザインと近しいイメージになっています。
参考サイト)
WIRED.jp 2016年7月19日付
マスターカードがおなじみのロゴを変えた理由
http://wired.jp/2016/07/19/mastercard-changing-logo/
Instagramロゴ&UIリニューアル
クラシカルなカメラアイコンがシンボルだった人気アプリのInstagramがロゴマークとアプリUIをフラットデザインへリニューアルしました。カラフルなグラデーションに彩られたシンプルなカメラモチーフは活気と多様性を表現しているのだそうです。ロゴのリニューアルを伝えるムービーも印象的でした。
参考サイト)
Fashionsnap.com 2016年5月12日付
インスタグラムがアイコンを変更、アプリ内デザインも刷新
http://www.fashionsnap.com/news/2016-05-12/instagram-update/
ヒューレット・パッカードの新ロゴデザイン
長さの異なる同じ幅の4本のラインで、ヒューレット・パッカードの頭文字hpを表したミニマルなロゴデザイン。フラットデザインの流れかと思いきや、2008年に作成されたロゴが復活したのだそうです。これも旧来のロゴメージを踏襲してモダナイズしたデザインですね。
参考サイト)
THE VERGE 2016年4月5日付
HP’s new logo is the awesome one it never used
http://www.theverge.com/2016/4/5/11367248/hp-new-logo-spectre-13
■ムービーによるブランドコミュニケーション
世界的な話題となったPPAPや恋ダンスなどムービー中心のコミュニケーションも増加しています。昨年にに引き続き、auの三太郎シリーズなど、さまざまなムービーが候補に上がっていました。
コーセー70周年記念CM「Tokyo Seven Days」
創業70周年を迎えるコーセーの新CMとそのスペシャルサイトでは、「きれいの、その先にあるもの。」をテーマに、東京で暮らす女性たちの7日間を表現しています。豪華なイメージキャラクターを起用した美しい映像は化粧品会社ならではの魅力を訴求しています。
参考サイト)
KOSE70th Anniversary「TokyoSevenDays」
http://kose70th.jp/
NIKE ショートムービー「The Switch」
ヨーロッパのサッカー大会「EURO2016」に向けたNIKEのショートムービー。クリスティアーノ・ロナウドが普通のサッカー少年と入れ替わってしまった世界を描いています。NIKEはこうしたショートムービーを2年に一度制作しており、毎回そのクオリティの高さが注目を集めています。今回の作品は視聴回数が5,000万回を超え、YouTubeの年間再生ランキングで企業CMとして1位になっています。
参考サイト)
Gigazine 2016年12月8日付
YouTubeで2016年に最も人気だったムービー・ミュージックビデオ・CMトップ10はこんな感じ
http://gigazine.net/news/20161208-youtube-rewind-2016/
■地域連携ブランディング
地域のブランディングも活性化されていますが、今年はそのエリアだけの取り組みではなくグローバルとの連携や地域の特色を全国規模で打ち出す取り組みが目立ちました。
有田焼創業400年事業「2016/project 」
佐賀県有田町とその周辺で製造される色鮮やかな磁器・有田焼。17世紀には中東やヨーロッパへ輸出され、人気を集めました。この有田焼の400年記念事業として、世界で活躍する8か国16組デザイナーと連携して新しいプロダクト開発を行う「2016/project」がミラノサローネで発表されました。これまでの有田焼の伝統を踏襲しながら、新しい魅力を持ったプロダクトへ、企業の枠組みを超えて有田焼全体としてリブランディングを行い、日本だけでなく世界へ向けて発信しています。
参考サイト)
2016/ Arita
http://www.2016arita.com/
スターバックス地域限定プロダクトリニューアル「ジャパン ジオグラフィーシリーズ」
これまで地域限定で販売されていたスターバックスのマグボトルなどが刷新されました。京都や東京、北海道など日本の13のエリアの都市をテーマに地元の人々の日常の様子がデザインされたグラフィックスで、それぞれの地域の違いが楽しめます。スターバックスは世界中でその地域と連携したグッズを作成していますが、日本のものは中でもとてもグラフィカルに感じます。
参考サイト)
スターバックスジャパン プレスリリース 2016年10月4日付
https://www.starbucks.co.jp/press_release/pr2017-1918.php