2019.10.18

今とこれからの「らしさ」を共創する「インナーブランディング」のすすめ

ブランドアイデンティティを構築するフレームワーク ブランドアイデンティティプリズム:ジャン・ノエル・カプフェレ

最近、思わず人に伝えたくなったモノやコトは何ですか?

予測不能な時代(VUCA:Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguity)と言われる今、ショッピングの環境も10年前とは様変わりしました。スマートフォンやSNSの普及により、共感で個人や企業とつながり、いつでもどこでも購入・情報発信・シェアされています。

ではなぜ、その商品・サービス(企業)を選び、購入し続けるのでしょうか。
さらに、人に伝えたくなり、シェアされ、選ばれる商品・サービス(企業)に共通点はあるのでしょうか。

その一つとして、選ばれる企業の社員が、自社に対してブランドエンゲージメントが高いこと、いわば「インナーブランディング」があるのではないか、という点について、今回ご一緒に考えてみたいと思います。

選ばれる理由には、商品(モノ)の機能だけではなく、体験(コト)やその企業が社会に存在する価値から得られる「何か」がカギを握っています。「何か」は人によってそれぞれですが、一つに「共感・驚き・発見・喜びなどを共有したい」「一緒に感動したい」「伝えたい」という人の気持ちの働きがあるのではないでしょうか。

日常で発見した、
・嬉しいサプライズ
・感動と共感すること
それらが、毎日の生活で品質がよいものが溢れている中で、「これがよい」と選ぶ理由になっているのではないでしょうか。

さらに、それを「シェアしたい」「人とも共感したい」という思いから、コミュニケーションが共有へとシフトし、「そのサービスや商品は、どのような社会的存在価値をもった企業が、どのような想いでつくっているのか」ということがブランドエンゲージメントを高める要素になり、共感によって繋がったファンやコミュニティができています。

一番のファンは誰?

愛される商品やサービスを生み出すプロフェッショナルたちは、よりよいものづくりに長けています。ではなぜ差が生まれるのでしょうか。
愛されるブランドの共通点として、企業内部にこそファンが多く存在する、ということがあるのではないでしょうか。ブランドエンゲージメントを企業のなかから高めること(インナーブランディング)は、今と未来をつなぐ企業であるために、必要なことなのかもしれません。

よりよいものづくりにプラスして、その「企業らしさ」を理解し、それに感情移入でき行動できる結果、他に替えられない独自の存在としての商品やサービスを生み出すことができる。さらに、自分も含む生活者に向けて伝えるべきポイントを、体験をふまえたストーリーとして伝えられる、ということがあります。

新しい世代にも共有される新しいコトは、生活者と一番のファン、両方の視点を持つことによって生まれ、その強い思いや願いは、新たな共感やファンをつくるという好循環が生まれます。

社員に、自社の社会的な存在価値は伝わっていますか?

新しい期のスタートや新入社員の入社時などに、人の健康診断のように、自社の確認をしてみませんか。

例として、
・企業理念・行動指針を、「わたしの理念・行動指針」として自分の言葉や体験で話し合う
・普段は一緒に仕事をしないメンバーでグループをつくり、会社の「らしさ」をシェアする
・企業を一人の人にたとえ、どんな魅力があり、どのように社会に貢献できるかを考える
・タイムラインを設定し、過去・現在・未来における社会的な存在価値を話し合う
その他、全員で動画作成をする、ストーリーづくりをするなど。

このように、企業が描く理念や社会的存在価値が、社員に本当の意味で理解され浸透することで「自分ごと化」でき、さらなる愛着や貢献意欲が高まります。
その結果、社員も、さらにはそのお客様もファンになっていき、愛されつづける企業・もの・サービスへとつながるのではないでしょうか。

プランナーとしても、一消費者としても、ステキなものやサービスが、社員の方々の想いをのせて届くことを願ってやみません。その先には、社員もお客様も含めた、多くの笑顔と感謝があふれているからです。

ぜひ、「インナーブランディング」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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