ブランディング考

2019.11.21

知的財産権を学ぼう~まずは法律を知ろう

谷田 治 営業企画室 ディレクター

コンプライアンス

近年「知的財産権」、「コンプライアンス」などの言葉を仕事、さらに日常でも聞くようになりました。私たちTCDは、ブランディングのなかで、ネーミング、ロゴデザイン、パッケージ、広告制作するうえでこれらと密接に日々関わっています。私はデザイン会社のなかの営業・企画部門として、15年以上ネーミングや様々な権利確認に携わり、その経験をいかして社内研修を行っています。この記事は、メーカーやサービス事業者、デザイナーなど様々な立場の方々が対象ですが、クライアントとデザイナーが一緒に法令遵守しながら、ブランディングできる環境づくりのために研修の一部から抜粋してご紹介しようと思います。

弁護士監修の書籍やWebサイトコンテンツも存在しますが、時々「大丈夫と書いてあるが、これ実際ではNGだよね。」という内容も。「〇〇法上はOKだが、〇〇法上でNG、この対象物は例外」というケースも。書籍・Webサイトコンテンツを頼りにするのでなく、法律を理解しつつ、個別のケース・対象を一つひとつ確認することが重要です。

学ぼう~法律の全体像
「コンプライアンス」「知財(知的財産権)」は一緒?

知的財産権を学び、知的財産権を保護し、侵害しないようにするためには、まず、知的財産権の周辺にある法律も含めた法体系の全体像を理解することをおすすめします。下の図はブランディング、デザインに関係する主な法律を整理したものです。立場によって、どの部分までを注意し、責任を負うべきか異なりますが、まずは、自分が理解している法律、これまでできている注意範囲をチェックしてみましょう。

法律の全体像

学ぼう~法律の概略
「著作権」「商標権」「意匠権」の違い、説明できますか?

学校を卒業しTCDに入社してきた方への研修の経験上、「著作権と商標権は違う」と認知している方は多いのですが、それぞれ説明するのは難しいようです。さらに「商標権」「意匠権」の違いは、「意匠=デザイン」という言葉の複雑さもあり、「意匠」=「デザインも含めた商標のこと?」という誤解も多いようです。以下、ブランディングに関連する主な権利・日本の関連法令について、簡単にまとめました。

著作権(著作権法)
文芸、美術、音楽、商業用途のデザイン・イラスト含め思想または感情を創作的に表現したものを著作物といい、著作権法は第三者の著作物を許可なくコピーや模倣することを禁じた法律です。登録制度はなく、創作された時点で著作権が発生します。著作権保護期間は2018年12月から従来の50年後までから70年後までに変更になりました。

商標権(商標法)
事業者が、自社の取り扱う商品・サービスを第三者のものと区別するために使用するマーク(営業上のしるし)を商標といい、商標権は商標を登録し権利化・保護するとともに、第三者の登録商標と同一・類似の商標の使用を禁じた法律です。2014年5月から「動き」「ホログラム」「音」「位置」「色彩」なども商標法の保護対象として認められています。

意匠権(意匠法)
意匠法に規定される「意匠」とは、物品の形状、模様、色彩、それらの組み合わせなど視覚を通じて美感を起こさせるものをいい、意匠法は新規・創作性がある物品のデザインを登録し権利化・保護するとともに、第三者の登録意匠と同一・類似の意匠の使用を禁じた法律です。あくまで物品のデザインが対象となるので、物品を特定しないロゴ・マークデザインだけでは対象となりません。

不正競争防止法
不正競争防止法は、営業秘密や信用毀損行為などに関する内容もありますが、第三者の権利侵害関連では、有名な第三者の同一・類似の表示・デザインの模倣、発売から3年以内の商品の形態の模倣、その他不当な利用を禁じた法律です。その他商標法では保護されないドメイン名の不正取得やオリンピックシンボルや国際機関、外国の国旗等の不正使用なども禁止されています。

上記以外、肖像権や所有権、法律には規定されていないが各社と締結している契約・使用許諾などが存在します。次回からは、具体的な事例をもとにご紹介していきます。

[筆者プロフィール]

谷田 治
営業企画室 ディレクター

立命館大学 経営学部卒。在学時にデザインマネジメントを学び、TCDに入社。BtoC、BtoBを問わず、多様なプロジェクトの企画、ネーミングならびにマネジメント業務を担当している。

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