ブランディング考

2020.05.29

知的財産権を学ぼう ~商標登録を早めるポイント

谷田 治 営業企画室 ディレクター


知的財産権を学ぼう バックナンバー
1. まずは法律を知ろう
2. 権利侵害への対策
3. 商標登録を早めるポイント


前回まで、知的財産権に関する各種法律や自社ブランド権利侵害の行為への対策をご紹介しましたが、今回は、商標登録までの現状のスケジュール感と早く審査・登録されるためのポイントをご紹介します。新型コロナウィルスの影響で製品、サービスのブランド開発のスケジュール変更を余儀なくされているケースが出ていると思いますので、わずかでも皆様のブランド開発のお役にたてれば幸いです。
(2020年5月現在の特許庁の公表情報等をもとに記載しています。)

学ぼう~商標登録の基礎知識
商標登録までの流れは?

商標権を取得するためには、特許庁へ商標を出願して商標登録を受けることが必要です。出願されると書式等の審査後、特許庁の審査官による審査が行われます。審査の結果、登録できない理由が見つからなければ、「登録査定」が送付され、登録料の納付後、登録されます。日本では「先願主義」が採用されているため、他社より先に申請手続きすれば、他社に商標登録されることはありませんが、商標権の効力としては、登録された時点ではじめて発生します。

学ぼう~商標登録のスケジュール
現在、審査結果が出るまで約12ヶ月以上かかります

数年前は、日本は出願から商標登録までスムーズにいけば約6~7カ月後には可能なケースもありましたが、近年の商標出願数の増加などにより、現在は出願から最初の審査結果の通知(登録査定または拒絶理由通知)まで約12ヶ月となっています。(2019年12月現在)申請前に弁理士による調査を行っていても、審査結果が分かるまで心配なケースもあり、その出願者としては不安な期間が長くなっているのが現状です。
※特許庁のホームページで、カテゴリーごとの直近4ヶ月間の商標審査着手状況を公表していますので参照ください。

学ぼう~商標登録を早めるポイント
商標早期審査 & 注目はファストトラック審査
(2020年2月からスタート)

出願から審査結果の通知までの期間が長くなっているため、特許庁では早期の権利化が可能な以下の2つの制度を現在運用しています。(新しいタイプの商標など一部は対象外)
申請~審査結果が出るまでの期間は、審査状況などにより変動しますので、詳細の条件・必要書類も含め、特許庁ホームページや担当弁理士に最新情報を確認してください。

(1)商標早期審査 申請~審査結果が出るまで約2~3ヶ月
既にブランド名・ロゴなどを使用していたり、使用したい商標を他社が商標申請・登録せずに使っていたり、数ヶ月後なるべく早く公表・使用するために審査結果を知る必要がある場合など緊急性が高い場合は、「商標早期審査」の申請を検討してください。但し、商標使用の事実や使用の準備を相当程度進めている事実を示す書類の提出が必要であるなど条件がありますのでご注意ください。

(2)ファストトラック審査 申請~審査結果が出るまで約6ヶ月
商標は、申請・登録したいブランド名・ロゴデザインのほかに、登録・権利化したい商品・サービス内容を「指定商品・役務」として申請する必要があります。この「ファストトラック審査」は、申請書類に記載する商品・役務を、日本ならびに国際的に定められた基準の商品・役務※のみを記載すれば、早期審査するという制度です。上の「商標早期審査」は別途申請が必要ですが、「ファストトラック審査」は条件を満たせば別途申請無しに対象となります。
※「類似商品・役務審査基準」、「商標法施行規則」又は「商品・サービス国際分類表(ニース分類)」に掲載の商品・役務

従来、申請書類の商品・役務を記載する際に、自社のアピールポイントや販売時の呼び方などを記載しているケースも多いですが、定められた基準で示すことができる商品・サービスを申請する場合は、是非ご検討ください。

商標登録までのスケジュール・制度が、数年前と状況が変わり、質問いただくケースも増えてきています。TCDでは、これからもネーミング、デザイン、そして効果的な権利取得をサポートしてまいります。

[筆者プロフィール]

谷田 治
営業企画室 ディレクター

立命館大学 経営学部卒。在学時にデザインマネジメントを学び、TCDに入社。BtoC、BtoBを問わず、多様なプロジェクトの企画、ネーミングならびにマネジメント業務を担当している。


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